見出し画像

投資用マンション業者は有名な駅に多い理由とその裏側


はじめに

 不動産投資を考えている人なら、都心の主要エリアで多くの不動産業者を見かけることが多いはずです。新宿、渋谷、恵比寿、池袋、六本木、銀座など、いわゆる一等地に事務所を構える大手の不動産投資業者が目立ちます。
 このような業者がどうしてこうした一等地に集中しているのか、その理由と背後にある経済的な意味合いについて掘り下げてみましょう。この記事では、投資用マンション業者の経営戦略とそのメリット・デメリットを明らかにし、中小企業の不動産業者との違いも考察します。

大手業者が一等地に事務所を構える理由

 大手の不動産投資業者が一等地に事務所を構えるのは、まず第一に「従業員の通勤利便性の確保」が挙げられます。交通網が充実している主要な駅周辺に事務所を構えることで、優秀な人材が集まりやすくなります。また、これらのエリアに事務所を構えることは「企業の信頼度を高める」効果もあります。一等地にあるオフィスは一種のステータスとなり、投資を考える顧客に対して安心感を与えます。高い家賃を支払うだけの信用力をアピールできることが、顧客獲得の重要なポイントとなるのです。

大手業者が抱える高コスト構造

 一等地で事務所を構えるためには、当然ながら莫大な賃料、従業員の給与、広告費などが必要です。こうした経費は、売り上げから捻出する必要があり、経費を回収するために積極的な営業活動が求められます。そのため、大手業者は「高い利回り」を求める顧客に対しては、新築や高額物件を提案する傾向が強いのです。結果として顧客は、仲介手数料や諸経費が加算された物件を紹介されることになります。

業界全体の利益率と不動産業界の利益率

 製造業、卸売業、小売業などの一般業種において、売上高経常利益率はそれぞれ6.5%、3.4%、3.1%とされています。これに対し、投資用マンション業者などの不動産業界は7.9%前後の利益率と高めです。さらに、証券業界や医薬品業界が特に高い利益率を誇る中で、不動産投資業者も比較的安定した利益率を維持しています。

 大手業者は高額な経費を捻出するため、利益を積み上げていく必要があります。これは、不動産業界が「安定した経営」を目指す上で非常に重要な要素であり、他業界と比較しても見劣りしない水準です。

中小規模の不動産業者の戦略

 一方で、中小規模の不動産業者は大手と異なる経営戦略をとる傾向があります。中小業者は、都心の一等地に事務所を構える必要がないため、家賃や人件費、広告費などの経費を抑えることができます。このことで、顧客に対してより柔軟な価格設定が可能になり、顧客目線に立った提案がしやすくなります。特に不動産投資初心者に対しても、コストパフォーマンスの良い中古マンションや築古物件の紹介を行い、顧客の資産形成をサポートする戦略をとっています。

 中小企業の利益率は大企業と比べて低くなる傾向がありますが、その分、利益率を重視しすぎない「顧客重視」のビジネスモデルを展開することでリピート客や口コミを増やし、長期的な信頼関係を築くことを目指しています。

利益を重視するか、顧客満足を重視するか

 大手の不動産業者は、利益を追求するため、必然的に高額な投資物件や新築マンションの販売に力を入れる傾向があります。特に、売り上げのために、表面的には高利回りを見せながらも、維持管理費や修繕積立金などのランニングコストを含めた実質利回りが下がるケースが少なくありません。投資家はこの点を理解した上で、不動産会社と相談することが重要です。

 一方で、中小規模の不動産業者は、顧客満足度を重視したビジネスモデルを構築し、顧客に寄り添った提案を行います。初期投資が少ない中古マンションや、手入れが行き届いていない築古物件を紹介することで、長期的な収益を見込む投資家に適したアプローチをしています。

投資家にとってのポイント

 不動産投資の成功は、物件選びだけでなく、どの業者とパートナーシップを結ぶかにも大きく依存します。大手業者を選ぶメリットは、信頼性や安定した経営基盤ですが、場合によっては手数料や物件価格が割高になる可能性があります。一方で、中小規模の業者と契約することで、コストを抑えつつ、自分に合った投資プランを組み立てることができるかもしれません。どのような業者と組むかは、投資の目的やリスク許容度によって決まります。

まとめと今後の展望

 不動産投資を検討する際は、業者の選び方が収益に大きく影響を与えることを理解することが大切です。大手の不動産業者は確かに魅力的な存在ですが、その一方で、高い経費をカバーするために利益を重視した提案がされる可能性があります。一方で、中小の不動産業者は、顧客に寄り添った価格設定や物件選びを行うことで、投資家との信頼関係を築いています。

 今後の投資戦略において、都市の一等地に集中する大手業者と地域密着型の中小業者の違いを理解し、上手に利用することで、自分に合った不動産投資が実現できるでしょう。

 大手は大手のメリットがあり
 中小企業にはそれに伴うメリットもあります。
 どちらが正しいとかではありませんが
 組むパートナー営業マンは重要だと思います。
 いろいろ知っている人は意外に少ない業界ではありますが頼れるパートナー探しは面白いかと思います。

いいなと思ったら応援しよう!