古くなると家賃は下がる?知っておきたい物件の価値と家賃相場のリアル
「物件が古くなれば家賃は必ず下がるのか?」この質問は賃貸に関心がある多くの人が抱く疑問です。しかし、実際には古いからといって必ず家賃が下がるわけではありません。むしろ、場所や管理の質によっては家賃を保ったまま、場合によっては上がることさえあります。以下では、古い物件と家賃の関係について、現実的なデータや事例を交えながら解説します。
1. 新築プレミアム:なぜ新築物件は家賃が高い?
新築物件は「新築プレミアム」と呼ばれる特殊な価格設定がされており、相場の1〜2割増しで貸し出されることが多いです。新築の利点は設備が最新で快適である点や、リフォームや修繕の心配が少ないことです。そのため、初期の家賃は割高になる傾向があります。ただし、このプレミアム価格は築年数の経過とともに段階的に下がり、10〜20年目には相場に近づくケースが一般的です。しかし、これはあくまで一般的な傾向であり、物件ごとに異なります。実際は20年経っても家賃が下がらないケースは多々あります。得に区分マンションに多い傾向で地方アパートは緩やかに下落傾向はある場合があります。
2. 立地の影響:良い場所の物件は家賃が下がりにくい
物件の家賃が古くなってもあまり下がらない要因の一つが「立地」です。都心や駅近の物件、また周辺環境の充実したエリアは需要が高いため、築年数が経過しても家賃が下がりにくい傾向にあります。実際に、駅徒歩5分以内の人気エリアにある築30年のマンションが築5年の郊外物件よりも高い賃料で貸し出されているケースもあります。
3. 地方と都市の違い:空室率が高い地域では家賃が下がりやすい
一方、地方や空室率の高いエリアでは、築年数が経つと家賃が下がる傾向があります。供給過多に加え、人口減少が進むエリアでは、古くなるほど家賃が下がりやすく、リフォームなどでの対策が取られない限り賃料を保つことは難しいケースがありますが必ずではありません。
4. オーナーの工夫がもたらす価値の維持と向上
家賃が下がりにくい物件の共通点として、オーナーの管理や工夫があげられます。例えば、リノベーションを定期的に行い、設備を最新に保つことで古い物件でも「住みたい」と感じる価値を提供できるのです。ある調査では、中古物件でもリノベーション後に家賃が10〜20%上昇した例も報告されています。ペット可にしたりお洒落にしたりで費用は掛かりますが入居待ちなんてのもあります。
5. 長期入居者がいる場合の価格維持
築年数が経過しても家賃が下がらない理由として、「長期入居者」の存在も重要です。あるエリアでは相場が3万7000円のところ、築年数が経っているにもかかわらず、50,000円で貸し出されているケースが見受けられました。長年住んでいる入居者がいることで、オーナーは賃料を相場に合わせず維持することができるのです。これは、オーナーにとって安定した収入が得られる利点でもありますが退去したら下がってしまうのがわかりますので工夫で何とかした方がよいです。
6. 管理会社や担当者の影響:いわゆる「担当ガチャ」
物件が古くなると、家賃を下げるか維持するかの判断に大きな影響を及ぼすのが「管理会社」や「担当者」の存在です。一般的に、経験豊富で物件の魅力をうまくアピールできる賃貸営業マンが担当であれば、適切な家賃を維持できる可能性が高まります。逆に、物件の価値を見出せず家賃を下げる判断をする営業マンもいるため、物件にどの担当がつくかは家賃に大きな影響を及ぼします。この現象を俗に「担当ガチャ」と呼ぶこともあります。
これは大手だから中小企業だからではなく営業マンの思想の為です。
7. 経年劣化を見据えた賃貸戦略
物件の年数が増えるにつれ、外観や内装の劣化が進みますが、その対策としてリノベーションや一部改修を行うことで、古さが価値低下に直接つながらないようにすることが重要です。築20年を超えた物件でも、定期的なメンテナンスや工夫によって価値を維持し続けている例もあります。特に、都心エリアや駅近の物件であれば、築年数が経っても需要があるため、必ずしも家賃を下げる必要はありません。
8. 賃貸業界の研修不足が生む、家賃判断のブレ
賃貸業界においては、従業員の研修が不足していることから、賃料の設定にばらつきが生じやすいという一面もあります。不動産業に従事するすべての人が前向きに学ぶわけではなく、個々の担当者の経験や価値観が賃料判断に大きく影響することも珍しくありません。適切な知識や経験が備わっていない担当者が設定する家賃は、物件の価値を適切に反映しない場合があるため、物件ごとの判断が重要です。
そのためオーナーからも営業をかけることをお勧めします。お中元をおくるとか手紙を書くとか私は客だアピールするとどうなるか皆様わかりますよね。
9. 結論:古いからといって家賃が下がるとは限らない
物件が古くなれば家賃が必ず下がるわけではありません。立地の良さやオーナーの工夫、長期入居者の存在、さらには管理会社や担当者の判断によっても、家賃の下落を防ぐことが可能です。重要なのは、物件の魅力を理解し、適切に維持管理することです。不動産市場では「古い=安い」という単純な図式ではなく、価値を維持・向上させるためのさまざまな工夫と戦略が求められます。