ゴミ屋敷の現実に直面した衝撃体験とその裏側

 テレビで、片付けられない人々の部屋が映されるシーンを目にしたことがあるでしょうか?床が見えないほどゴミが散乱し、悪臭と共に映し出されるその光景は、思わず「うわっ」と言ってしまうほど衝撃的です。

 私も以前、そんなテレビ番組で「汚部屋」という言葉が流行ったのを思い出します。あるギャルが、自宅をゴミだらけにしてしまい、足の踏み場がない部屋で生活している様子が放映されていました。友人がいるなら、さすがに臭いに気づきそうなものですが、慣れてしまったのか、一緒にゴミと暮らしている光景は非現実的にさえ思えました。

 今回お伝えするのは、そんな作られた映像ではなく、実際に私が遭遇した本当の話です。

都内のワンルームマンションでの驚愕体験

 都内某所にある築30年のワンルームマンションで、50代後半の現場系の方が住んでいました。部屋を訪れたとき、玄関から天井近くまでゴミが積み上げられており、その上で寝ている姿に目を疑いました。高さは170センチ以上。天井が目の前にあるにも関わらず、彼はその状況に慣れ、ゴミの上を登り奥へ進んでいき特に不快に感じている様子はありませんでした。

 ゴミの撤去に関しては素直に応じてくれたものの、ご自身ではもう手を付けられずゴミの撤去業者に見積もり額は何と60万円近く。支払い能力の問題もありましたが、幸い彼には妹さんがいて、兄のゴミ撤去費用を援助してくれました。結果的に、2トントラック2台分ものゴミが部屋から運び出され、彼の表情も少し晴れやかに見えたのが印象的でした。

ゴミ屋敷の問題は他人事ではない

 賃貸管理会社によると、ゴミ屋敷問題は特に年配の独身男性に多いとのこと。神奈川県のある市では、ゴミ屋敷の問題に対する相談窓口も設けられています。ただし、注意すべきは費用負担に関して。相談はできても、実際の撤去費用は自己負担です。

 部屋は個人の自由に使えますが、ゴミ屋敷にすると周囲に悪臭や虫を発生させ、衛生的な問題を引き起こすだけでなく、近隣トラブルや建物へのダメージも招きます。特に床やフローリングが重さで曲がってしまう可能性もあり、オーナーに迷惑をかけることにもなりかねません。

管理会社の苦労と現実

 今回のケースは、たまたま管理会社が巡回して発見したものでした。しかし、一般の賃貸管理会社では、頻繁に巡回することは稀です。特に家賃の集金代行契約のみの場合、管理費は月額家賃の5%程度。例えば80,000円の家賃なら、その5%はわずか4,000円。巡回に時間や交通費がかかるため、費用対効果を考えると、頻繁に訪問するのは難しいのが現実です。

 今回のような事例が表に出るのは、よほどのことがない限り難しい状況です。しかし、オーナーや管理会社が協力し、定期的な確認やコミュニケーションを取ることで、ゴミ屋敷問題を未然に防ぐことができるかもしれません。

まとめ

 ゴミ屋敷の問題は決して他人事ではありません。住人、管理会社、オーナーが協力して、定期的なコミュニケーションを取ることが、このような問題を未然に防ぐ一歩となるのではないでしょうか。自分の住環境を大切にすることが、結果的に近隣のトラブルを避け、より快適な生活環境を維持する鍵になるのです。


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