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サブリースについて

 サブリース契約のメリット・デメリットとトラブルに備えるための注意点

はじめに

 サブリース契約とは、サブリース業者がオーナーから物件を一括して借り上げ、第三者に転貸する仕組みです。オーナーにとっては安定した賃料収入が得られるというメリットがありますが、近年、賃料減額をめぐるトラブルも増えています。この記事では、サブリース契約を利用する際のメリット・デメリット、そして注意点を詳しく解説していきます。
 少しわかりにくいですが購入した売買であれば販売会社と購入者で購入者は販売会社から見たらお客様ですがサブリース契約を結び購入者のお客様は借主であるサブリース会社であることは認識しないといけません。貸してやってるではなく借りてもらっている立場になるのを忘れないでください。

サブリース契約のメリット

1. 安定した賃料収入

 サブリース契約では、オーナーは業者から一定の賃料を受け取ることができます。これにより、空室リスクを負うことなく安定した収入を確保できる点は大きなメリットです。例えば、サブリース契約を利用することで、賃貸物件の空室期間が長くなっても賃料が保証されるため、精神的な安心感を得られます。

2. 管理の手間が軽減

 サブリース業者が物件の管理や入居者対応を代行してくれるため、オーナー自身が物件の維持・管理を行う手間が省けます。忙しいオーナーにとっては、管理業務から解放されることで他の事業や投資に集中できるという利点があります。

サブリース契約のデメリット

1. 賃料の減額リスク

 サブリース契約では、業者からの賃料が実際の家賃相場よりも低くなることが一般的です。例えば、実際の家賃が月10万円の物件でも、サブリース賃料は8万円になるケースがあります。また、賃料の見直しや減額が行われる場合もあり、長期的な収入が減少するリスクがあります。

判例紹介

「サブリース賃料減額事件」(平成29年東京地裁判決)
 この判例では、サブリース業者が契約時の賃料を一方的に減額しようとしたことが争点となりました。最終的に、裁判所は契約時の説明義務不足を認め、オーナーに有利な判決が下されました。このように、業者の説明不足や契約内容の不透明さが問題となるケースも多いです。

2. サブリース契約の解約リスク

 近年、オーナーとサブリース業者の間で、契約解除をめぐるトラブルが増えています。オーナーとしては、突然の契約解除によって収入が途絶えるリスクがあります。例えば、逆ザヤ状態(実際の家賃収入がサブリース賃料を下回る状態)になると、業者が契約解除を通告してくることもあります。

注意すべきポイント

1. サブリース契約の条件を確認

 サブリース契約を締結する際には、賃料減額や解約に関する条件をしっかりと確認しましょう。国土交通省の「賃貸住宅管理業者登録制度」に登録されているサブリース業者は、契約内容や将来の家賃変動に関する条件を事前に説明する義務があります。オーナーとしては、契約前に業者からの説明を十分に受けることが重要です。

2. 入居率と実際の家賃相場を把握

 サブリース契約を検討する際には、物件の立地や周辺の入居率、実際の家賃相場を把握しておくことが必要です。特に、都心部の物件は入居率が高いことが多いため、サブリース契約を結ぶメリットが少ない場合もあります。オーナーとしては、自分で家賃収入を確保する方法も視野に入れておくべきです。

サブリース契約の実例と対策

実際の事例

 あるオーナーAさんが、都内のワンルームマンションでサブリース契約を結びました。契約当初は月10万円の賃料が保証されていましたが、5年後、業者から賃料減額の申し入れがあり、月8万円に減額されました。さらに、業者が一方的に契約解除を通告してきたため、Aさんは収入を失い、自らの負担で入居者を募集することになりました。

トラブルに備えるための対策

  1. 契約書の内容をしっかり確認: 賃料減額や契約解除に関する条件を詳細に確認し、不明点は業者に質問することが重要です。

  2. 将来のリスクに備えた資金計画: サブリース賃料の減額や契約解除に備え、自己資金を確保しておくことも大切です。

まとめ

 サブリース契約は、安定した収入を得られる一方で、賃料減額や契約解除のリスクがあるため、慎重な検討が必要です。オーナーとしては、サブリース業者の説明を十分に理解し、契約内容を確認することが大切です。特に、国土交通省の賃貸住宅管理業者登録制度に登録されている業者と契約することで、リスクを軽減できます。ただし実務では原契約を開示してもらうことが非常に困難なためサブリース会社次第の考え方になりますが必ず出してもらえるかもありますため気を付けなければいけないのとサブサブリースと2社入っていたりがありますので物件次第では3社も入っていることも可能性はあります。

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