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【投資マンション買取屋の恐怖】~知らず知らずのうちに資産を失うリスク~


 昨年、あるお客様から久しぶりに連絡がありました。内容は、築5年ほどの投資用マンションを持っていたその方が、買取業者に説得され、預貯金で380万円を一気に使って売却してしまったという話でした。すでに契約が完了していたため、何も手を打つことができない状態でしたが、その背景には非常に危険な買取屋の手法がありました。

きっかけは何気ない電話営業

 先日、そのお客様にとある電話営業がかかってきたそうです。「今は買えない」と断ると、その業者は「実は買取もやっています」と言いながら所有物件の状況を聞いてきたと言います。すると業者はこう続けました。

 「大丈夫ですか?この物件、月に2万円ほど持ち出しになっていますよね。ワンルームマンションは資産価値も低く、管理費や修繕積立金は今後も上がり続けます。金利も上昇傾向にあるため、将来的にはもっと持ち出しが増えるでしょう。残り30年持ち続けたらいったいどれだけ持ち出しになるか考えたことありますか?節税効果も最初の1~2年だけで、あとは納税額が増えるだけですよ。毎月2万なら年間24万円と固定資産税約6万で30万で残りの30年で900万であとは金利上昇が0.1%で大体この位で管理費修繕積立金が上がり。。。と最悪シミュレーションが始まり1300万円位持ち出すのと今終わらせておけば損害が少なくて済むと説得されてしまうようです。

 こうした言葉で不安を煽られ、その方は「もう投資マンションは持っているべきではないのかもしれない」と思い込んでしまいました。結果的に、380万円もの預貯金をはたいて売却に至ったのです。

本来なら抑えられた損失

 このようなケースで最も悔しいのは、私たちとの連絡が途絶えた結果、守るべき資産を守れなかったことです。適切なアドバイスがあれば、売却額は150万円程度の損失で済ませることができたはずでした。しかし、380万円という大きな損失を出してしまった現実に、心から悔しい思いがこみ上げてきます。

買取屋の「救ってあげた」という謎の達成感

 買取屋の中には、所有者を「救ってあげた」と達成感を持っている人がいます。ある買取業者と話をした際には、「所有者を救うことでやりがいを感じている」と語っていました。ですが、その手法は非常に悪質で、理解できるものではありません。信念がそうなのであれば本気ですので相手がどう思うかです。

典型的な手口

 別の買取業者の話によれば、所有者には「あなたの物件を●●●●万円で購入したい人がいます」というダイレクトメールが送られてくるそうです。驚くほど高額な賃料や広さの提示が記載されていますが、実際に話を進めるとその価格は大幅に下げられていくというのが定番の手口です。それでも、業者に信じてしまう人がいるため、こうした手口が成立してしまいます。内容はそんな広さがあるわけないのにとか家賃が普通は8万なら9万であればこの価格とか利回り的に嘘ではないですが。。。

朝6時の訪問営業と粘り強い交渉

 さらにもう1社の業者から聞いたところでは、朝6時から地方の家に訪問し、所有者を呼び出すそうです。地域の目を気にすることなく、「あなたのために訪問した」と叫び、所有者を呼び出すため、警察沙汰になることもあるそうです。しかし、その粘り強い交渉の中で、数人に1人は家に入れてもらい、持ち続けるデメリットを並べ立て、不安を煽っていきます。そして根負けした所有者が「じゃあ売るよ」となってしまうケースが多いとのことです。

 所有者自身の投資知識や意志がしっかりしていないと、こうした業者の手口に引っかかりやすくなってしまいます。

実は免許も持っていない買取屋

さ らに驚くべきことに、ある業者は不動産取引の免許を持っていないことが判明しました。そのため、厳密に言うと監督官庁がないため、指導しにくい状況にあります。また、自ら売買を繰り返すことなく、形式的には免許を持つ不動産会社を通して売買を行うことで法律の抜け穴を利用しているようです。こうした手口がどこまで許されるかは裁判で争わないと分かりません。

買取屋に騙されないために

 今回のケースから言えることは、投資用マンションを持っている方は常に信頼できる専門家と連絡を取り、定期的な情報収集を行うことが重要だということです。買取屋の巧妙な手口に惑わされてしまう前に、冷静な判断ができる環境を作ることが必要です。私たちは、不動産を所有する皆様の資産を守るために適切なアドバイスを提供することをお約束します。どうぞお気軽にご相談ください。

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