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投資マンションが売却できない?失敗しないための注意点と実情


 投資マンションの売却を考える際、特に購入して間もない場合、「売れないのでは?」と不安に感じる方も多いかと思います。しかし、正確には売却そのものが不可能なわけではありません。ただし、現実的に「損をしない売却」は難しく、早期の売却では多額の持ち出しが発生する可能性が高いのです。以下に、投資マンションの売却に関わる費用やリスク、損失を最小限に抑えるためのポイントについて解説していきます。

1. 売却にかかる諸費用のリアル

 投資マンションを売却する際の費用について理解しておきましょう。仮に3,500万円で新築マンションを購入したとすると、購入時には以下の費用が発生します。

  • 諸経費:およそ150万円

  • 不動産取得税:およそ30万円

 購入初年度に、計180万円の追加支出が発生する計算です。さらに、売却時にも費用がかかります。たとえば、直接買主が見つからない場合には、不動産業者を通じた仲介での売却となり、3,500万円で売却した場合、仲介手数料だけで120万円ほどかかります。

 これに加えて、購入時の残債(3,500万円)が残っていると仮定した場合、一般的な買取価格は3,000万円程度にしかなりません。購入直後に売却した場合、手数料や価格差などで、結果的に800万円以上の損失が発生する可能性があるのです。このため、「損失を出さずに売却することは難しい」という現実があります。

2. 投資マンションの価値と坪単価の関係

 よく「騙された」「高値で買わされた」と感じる方もいますが、これはマンションの構造と坪単価に対する誤解が原因となっていることが多いです。たとえば、4LDKの広い物件に比べ、ワンルーム(1K)などの小規模物件は一部屋にキッチン、トイレ、浴槽などが揃っているため、坪単価が高くなります。そのため、同じ価格帯でも物件の広さやグレードが異なるため、一見「割高」に見えるのです。

 もちろん、タワーマンションなど人気エリアの物件では、購入後すぐに売却しても利益が出ることもありますが、これは非常にレアなケースです。多くの投資マンションでは、売却まで数年〜数十年の運用期間を前提にするのが一般的です。単なる短期売買を目的にする場合には、マンション投資そのものが向いていない可能性があることを理解する必要があります。

3. 不動産と他の投資商品の違い

 不動産投資を他の金融商品と比較する際には、性質の違いを理解することが重要です。たとえば、個人年金などの積み立て型の投資商品では、解約時の手数料が高く、特に契約期間が短いと元本割れが発生する可能性が高くなります。不動産投資も同様に、購入後すぐの売却は損失が出る可能性が高く、中期から長期保有を前提とした投資方法と言えるでしょう。

 ただし、不動産の所有には「登記」や「物件評価」などの制度があり、信頼性がある程度保証されています。巷に溢れる無登録の投資商品に比べると、法的に保護されている点での安心感もあります。

4. 「売却できない」原因の多くは「持ち出しのリスク」

 投資マンションが「売れない」と感じる理由の大半は、売却時の「持ち出しのリスク」にあります。自己資金を多く投入せず、ローンを組んで購入した場合、売却時にローン残高を下回る価格でしか売れないため、自己負担が生じます。そのため、購入後すぐに売却を考える際には、ある程度の「持ち出し資金」を用意するか、損失を受け入れる覚悟が必要です。

 一方で、長期間の保有を経て不動産の評価が上がるか、ローンの返済が進んだ後での売却であれば、利益を出せる可能性もあります。投資マンションを購入する際には、短期での売却ではなく、中長期の運用を前提に考える方が現実的でしょう。

5. 売却がうまくいくケースもある

 稀に、購入直後でも利益が出るケースもあります。たとえば、人気のタワーマンションや利便性の高いエリアの物件では、市場価値が購入価格を上回る可能性があり、早期売却でも損失を出さずに済むことがあります。しかし、これもタイミングや場所に左右されるため、全ての物件に当てはまるわけではありません。

結論:「売却できない」わけではないが、準備が必要

 投資マンションが「売却できない」という表現は、正確には「売却にリスクが伴う」と捉えるべきです。自己資金が不足している場合や短期間での売却を希望する場合、残債との兼ね合いで利益を出すのは難しいという現実が待っています。投資マンションを購入する際には、「購入後すぐ売ることが難しい可能性がある」という点をしっかりと理解しておくことが重要です。

 一概に「損失」と考える前に、不動産の性質や市場動向をよく把握し、中長期の視点での投資を心がけることで、結果的に賢い資産形成へとつながるでしょう。

 また買い取ってもらえる業者の質もあるため損失が最小限に抑えられるケースもあれば見たことも無いような損失額最大のケースもあるでしょう。そのため狭い業界なので相場の状況や理解の難しさはあります。

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