『機動戦士ガンダム THE ORIGIN シャア・セイラ編1 青い目のキャスバル』(オリジナルアニメシリーズ)
視聴環境:Amazon prime video
※多少ネタバレします。
【内容】
安彦良和によるファーストガンダムの番外編的な再映像化作品。
シャアとセーラの幼少期から少年期を描いたシリーズ1作目。
【感想】
ファーストガンダム以降、漫画とかを描くことで、表情のバリエーションや演出の引き出しが増えているのを感じたりしました。
特に、小さい頃のセーラが滅法可愛い…
漫画版で色々とやりたかった所をあったんでしゅうが、その想いが伝わって来ました。
出てくるキャラクターの思い入れがエピソードやキャラクターに滲み出ているなあと…ダイクン側の人間であるシャアやセーラを初め、ザビ家のキリシアやドズル、ランバラルやハモンといったキャラクターたちが生き生きと描かれているなあと…
とはいえ、演出としては今時あまりやらないような、昭和のアニメとか昔の大映ドラマみたいな演出なども入っていたり…とはいえ、レイアウトとか作画が良いので、これはこれでありかもとも感じたりしました。
ダイクンの子を持つことの出来なかった正妻と、子を持った愛人であるアストライアとの関係性とかも、面白いなあと…正妻のかなり意地の悪い描き方とか、多様性とか叫ばれる現在だとやりにくい描写だろうなあと…
このシワだらけの正妻のキャラデザイン、何かに似てるとずーっと考えていたのですが、『AKIRA』に出てくるシワだらけの子供であるキヨコを酷く性格悪くさせた感じなんだと感じたりしました。
作品云々というよりは、こうした濃いキャラクターたちを描くための作品なんだと感じました。正史であるファーストガンダムはあるので、あくまでも番外編的な要素も含みつつ、今の技術で描き直す。
後に、ファーストガンダムのエピソード1話の『ククルス・ドアンの島』のストーリーを膨らませて、1本の劇場作品とするといったコンセンツ制作の仕方の走りとなる作品なのだと改めて思いながら観ていました。
これからは歌舞伎の演目みたいな感じで、エピソードの良いところとか、細かいエピソードを膨らませて、映像作品化していくみたいな流れになっていくんだろうなあと…
デモシーンなどは、安彦良和の学生時代の学生運動のころのことを、反映していたりするのかなあと思ったりもしました。
ちゃんと冒頭で、シャアのモビルスーツでの活躍を描き、またラストでの少年期のシャアがモビルスーツ戦の描き方とか、やっぱり観ていて楽しいですね。
シャアの少年期を声優の田中真弓がやっているのは、『巨人ゴーグ』の主人公ユウを思い出したりしました。ユウも田中真弓やっていて、そこら辺も当時のロボットアニメを思い出させて、なんか良いなあと…
1作1時間ほどという時間設定もいいですね。