「ジ・オファー / ゴッドファーザーにかけた男」(ドラマ)

視聴環境:U-NEXT

【内容】
映画『ゴッドファーザー』のプロデューサーの実話を元した「ゴッドファーザー」が出来るまでのドラマ。

【感想】
こんなことが本当にあったの、これそのものが映画じゃないか?
エンターテイメント業界で、まさに生死を掛けて正規の名作映画を作り上げていく。
映画製作に反対するイタリアンマフィアとの直接交渉、
脚本を書かない脚本家、
決まらないキャスティング…
これが面白くならないわけがない。
こんな利害関係やセットやキャスト、シナリオと課題が山積した物語をよくドラマにしたなと…

映画プロデューサーっていうのは、それこそ映画やドラマにするのには、最高の映画の素材なんだなあと思ったりしました。
これでこんだけ面白い作品になるんだったら、名作と言われる映画の数だけ、素材があるってことなのかあと…

ちょっとした短いシーンのために、「明日に向かって撃て」のメキシコの撮影現場を再現していたり…

なにより、パラマウントという自社の過去の恥部にあたるような内容の映画を自ら高額をかけて映画化する。

監督のフランシス・フォード・コッポラーと、原作者にして脚本家のマリオ・プーゾの小太りの中年二人組の脚本に関するやり取りは、コミカルでありながら、とても示唆的で勉強になりました。

ゴッドファーザーの配役として、マーロン・ブランドが決まるまでの一連のエピソードの綱渡り感、面白さとかも最高に痺れる。
どう考えても様々な無理筋の難題を、なんとかかんとか掻い潜り、あの「ゴッドファーザー」になっていく。
この映画は特に、物凄い実行力と能力、そして幸運がないと実現出来ないものだったんだなあと…
こんなにもみくちゃになりながら作った映画と思ってあの映画のことを考えると、すごいものを観られていたんだなあと…

エンターテイメント業界のトップを走っている人の心を動かした凄い殺し文句が次々と飛び出して来る…

あと、主演をやっているマイルズ・テラーも凄く良い…
後から調べて、「セッション」で主演してドラムを叩いていたり、「トップガン マーベリック」に出ていた俳優と気付いたりしました。

あんなにリッチで完成された映画なのに、実はかなり低予算の映画として企画された映画だったとか…

とはいえみんな映画に夢見ている人々ということで、そういう面では純粋な部分があるので、どこか憎めないというか、好感が持てる。
ドラマ本編でも、「映画は魔法」って言葉が出てきますが、本当に魔法のような魔力持ってるのかもと思えたりしました。

あと、映画の企画ということについて、凄くよくわかる映画でした。
数分或いはほんの数十文字の説明を聴いただけで、あたる映画だど思わせられるかどうか…
ドラマ形式で映画とは何か、企画とは何か、物を作るとはどういうことかを物語形式で伝えるある種教育的(?)側面もある映画だと感じました。

あと、一切実際の演じているシーンが出て来ないのも良い。

あと出てくる人間のキャラが滅茶苦茶みんな濃い。ま誰に焦点を当ててても面白くなる人たちばかり。
そんな強烈な人間たちが、対立し、和解し、友情を育み共に成功を勝ち取るとか、少年漫画みたいな展開があったり…
ラストは「ロッキー」のような負け犬達のワンスアゲイン映画になっていたり…

50年の映画の話なのに、とてもそんな風には感じない映画られないと思っていたけれど…
そうは感じられないほど生き生きとしていて、生々しく、そして痛々しい…
大体1時間もののドラマ10本くらいで、ここまでの物語を一気に描き切り、味わえたドラマシリーズでした。

https://www.video.unext.jp/title_k/the_offer

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