『バック・トゥー・ザ・フューチャー』
視聴環境:U-Next
【内容】
ひょんなことから、母親が若い頃にタイムスリップした主人公のマーティーは、友人のマッドサイエンティストのドクの力を借りて、元の時代に戻ろうと奮闘する。
※ネタばれします。
【感想】
テレビ放送も含めて、それなりに回数観た作品ですが、U-Nextにアップされていたので、なんとなく観てみることに…
しかし、この映画を要約してとりあえず上記のような感じにしてみましたが、もっと違った要約の仕方とかありそうですね。
というか、実はこの映画、それほど長くないわりには、かなりの内容を語っているということに改めて気付かされました。
この映画に関する、メーキングドキュメンタリーや公開講座、解説動画など、色々と観たこともあり、そんなに簡単にこの脚本やキャスティングになったわけではないとの話も知ってから観ると、また違った見え方してくる面もある気がします。
それから、小学生の頃にテレビ放映されているのを観た時には、それほど感じなかったのですが、完全にコメディーとして作られていますね。
演技もシナリオも、かなりコメディー寄りの印象でした。
とはいえ、コメディーとはいえ、設定やディティールなどはかなりしっかりと作り込まれていて、それなりの回数見返しても粗がそれほどないですし…
なにより、情報量が多く、今の映画ぽいですね。
すごく要領よく設定や映像で、状況を説明しているなあと…
1シーンに入っているシナリオとしての情報量がやたらに多く、無駄がないですね。
特に、冒頭シーンからの一連の流れは改めて見直すと、本当に良く出来ていますね。
公開当時、及び続編公開時には、かなりヒットでしたが、それ以上に今はある種80年代娯楽映画の象徴的な映画となったような感じですね。
今のタイムリープものとか、日本のアニメとかへの影響も大きいのでしょうね。
日本でも特に大量に作られているタイムリープもののクオリティーの高さは、この映画の達成を見て、そこを目指してこそといった面もあるんでしょうね。
その他、改めて気付いた点としては…
・ドクを若い役者を白髪にして、生命力の強いコミカルなマッドサイエンティストであるという感じを出しているのも、凄く良い効果を出していると感じました。
・車中の密室でのマーティーと母親の近親相姦的になりそうなキスシーンの展開でも、「なんだか弟とキスしてるみたい」といったセリフ一つであっさりとそういった展開を回避するとか…
というか、出てくる台詞がいちいち洒落てますよね。
・クライマックスは、来るとわかっている嵐の夜という設定と、その理由として雷のエネルギーを使ってのタイムスリップという無駄のなさ。
・そういえば、クライマックスの時計台を巡ってのスペクタルという展開は、宮崎駿監督の『カリオストロの城』にも共通するなあと…
ドクが時計台の文字盤の前の狭い淵を歩いていくシーンとか、ドクが手を伸ばしたらい、落ちそうになっているシーンとか…
この映画の公開が1985年で、『カリ城』が1979年なので、観られていてもおかしくないかも知れませんが、当時無名だった日本のアニメを参考にしたというのは考えにくいですかね…
そういえば、この時計台のアイデア自体もどこか元ネタがあったみたいは話を聞いたことがあるような…
とはいえ、タイムリミットのある展開をわかりやすく時計台の上でのアクションとしてクライマックスに持って行くという巧みさは舌を巻くなあと…
SFもののあるあるネタの組み合わせだったりするのに、ここまで構成が巧みだと作品としての新たな領域になるのだと感じる作品ですね。
あと、映画のあのラストも、初めて観た時はかなり驚きました。
公開当初は全然続編撮るの予定なんてなかったそうですが…
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