10周年バッグ 第三話「型紙と資材準備」
前回の続きになります。
TENT「ご無沙汰しております、早速ですが生地を送るのでそれに合わせてバイン ダーお願いできますか?」
ミシン屋さん「どうもお久しぶりです、実は去年で廃業にさせて頂きました...大変申し訳ないですが他をあたって下さい。」
TENT「え!?倒産って事ですか?」
ミシン屋さん「日本のものづくりは難しい状況が続いてるのが現状です、年齢も考えてゆっくり過ごすのも頃合いかとおもってそうしました」
TENT「そうですか、大変お疲れ様でした、機会があれば是非挨拶しにいきますね!!」
ミシン屋さん「お気遣いなく...TENTさんは嘘偽りの無い日本のものづくりを出来る限り頑張って続けて下さいね」
TENT「有り難うございます」
こんな一連の会話の中で、鼓舞すると共に「モノづくり」の大事さを人生の諸先輩方にご享受頂いた次第であります!!!
今回の縁周り加工は抑え金だけでの対応に切り替えることにしました。
金具類は全て下町入谷にある鍍金屋さんにお願いしており、今回は数が少ない事もあり妥協も考えました、ですが原価は考えずにいこうと決めておりましたし、去年から初めたワークショップ等でも選んで使えると幅も広がるので、ボタン類は1ロット2000個からで戸惑いましたがATS、艶消しBZ、ダールブラックとテッパンのハズレ無し鍍金加工で注文しました。
型紙は底部分だけ作り、今までのTENTバッグと違いバッグ全体に8箇所の角がある為、少しでもズレるとウェルダー加工が難しくなってしまう可能性が高いので、フリーハンドですが慎重に裁断を進めます。
このバッグで一番気にした資材は、作る部材になります!! メッシュ生地とオリジナル革調生地を重ねてウェルダー加工後に型抜きをして、バッグ上部の止めバンドとスナップボタンの土台、全ての部材をオリジナルで作りしました。少ない数だからこそ対応出来る楽しさ、細かい部分にまで拘った資材を入れ込むことでの愛着感、デイリーユースであり続けるものづくり心がけます。
少し話は変わりますが、この頃「会社の思想」ってなんですかと聞かれ大変困惑してしまいました...
TENTを初めて10年が経ちます、会社の経緯やものづくりに対して、その都度には物事への意識は持ち合わせています、ですがそれは思想にあたらないと知りました。
思想がない事で、取り敢えず何となくTENTをやっている会社として認識されてしまいがちだとも説明も受けました。
ワークショップでの体験や店舗販売による購入の方々には、文面では伝わらない伝えたい想いが感じ取れているかも知れませんが、伝える側も「勝手に判断して下さい」の様な職人気質な一歩的なものづくり特有の考え方は捨てるべきだと痛感しました。
10周年限定バッグを製作する事で、「人に必要されたいものづくり」が思想では無いかと少しずつですが気づかされたきがします。
次回は生産から完成編となります、その次は緊急事態宣言が発令されて今迄に無い日常生活の中で、日用品にちかい必要とされるモノを作りを初めているのでネット販売限定で出来ればと思っています。
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