アイバン・サグによる「言語は心的器官」の考察(1)

書籍から引用。

Chomsky の強力な主張は、
・・・(略)・・・
人間の言語能力は高度に機能特化している、つまり、人は生まれながらに言語を司る「心的器官」を備え、これは組織と機能の上で他の認知的能力とは独立している、
・・・(略)・・・
人間の言語能力に生物学的な影響が決定的であるということは疑う余地がない。そうでなければ、家庭のペットも、一緒に育てられた子供と同じ言語能力を獲得することになりかねない。しかし、これと比べると、人間の言語能力が Chomsky が主張しているほど特化しているかどうかは明らかではない。

アイバン・サグ 統語論入門

人は生まれながらにして
言語という心的器官を持つ。そしてその器官は独立したものだ。
というのがチョムスキーの主張。

でも、その「心的器官」が
ひとつの独立したモジュールか、
と言われると、
そうじゃないかも、と言っている。
つまり他の能力の延長でしかない、
ということ。

アイバン・サグ 統語論入門

この機能特化に関する論争に対し、
HPSGの理論は
なんらか解明を示すだろう、
とサグは言っている。

根拠としていくつか列挙されているのだが、
その1:

本書の文法規則は十分に一般的なので、構成・・・

(続く)

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