被災時に力をくれた食べ物
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久々にnoteの更新です。一番更新頻度が高いのはインスタです(笑)
前回の記事でも少し触れましたが、私は兵庫県芦屋市で阪神淡路大震災を経験しました。
朝5時過ぎ、ドーンという大きな音とものすごい縦揺れで目が覚めました。その音はどうやら阪神高速が倒れた音だったようです。1月の5時といえばまだ真っ暗なはずなのに、ベッドで目を開けるとなぜか部屋のようすを確認できました。縦揺れの直後に横揺れが来て、天井が2mぐらい横にゆさゆさと動いている感じがしてそのままの態勢で動くことができず、ベッドの上でじっとしていました。体感的には30秒ぐらいたったあとでようやく揺れが収まりました。
当時、妹と暮らしていたので、一番初めに隣の部屋で寝ていた妹の様子を確認しにいきました。夏に大きめな台風が来た後に備えていた懐中電灯が役立ちました。
妹は、薄暗い部屋でやはりベッドの上で身動きができない状態でいました。床には部屋に飾っていたガラスの置物の破片が散乱していて、はだしでは歩けなかったようです。私は、ドア付近からベッドに向かってスリッパを放り投げ、妹はようやくベッドから移動することができました。
リビング兼キッチンとして使用していた部屋の状況は悲惨。冷蔵庫が倒れ、冷蔵庫の上に置いていた電子レンジがぶっ飛び、食器棚が倒れて中身がすべて割れ、テレビが移動し、置いていたこたつの上にすべて乗っかっていて部屋の中に入ることができません。冷蔵庫の調味料の匂いでしょうか?いろんな匂いが混ざった奇妙な香りが廊下まで流れ込んできていました。いつものようにそこでうたた寝をしていたら、今私はここにいなかったかもしれません。
キッチンの向かいの部屋はタンス部屋として使用していましたが、タンスがすべて倒れて潰れこちらも入ることができません。お風呂場では風呂釜が壁から引っこ抜けて風呂の壁に穴が開き、外が見えていました。
都会の希薄な人間関係で同じマンションの人とは交流がなかったのですが、下にお住まいのご家族の旦那様が偶然にも防災関係の方だったらしく、「玄関のドアは開けておいて!ガスの元栓は閉めて!」ときびきびと指示してくださりとても助かりました。
朝8時頃に停電していた電気が回復し、TVをつけるとそこにはゴジラ映画のような光景が映し出されていました。ほんのすぐそこの阪神高速が倒壊している映像でしたが、まるでよその国の出来事のように感じられ、実感がまったくありませんでした。
冷蔵庫が全滅だったのでとにかく何か食べるものをと、ブロック塀が倒れあちらこちらで煙が立ち上り水道管から水が吹き出ている街中を、歩いてコンビニに食料を買い出しに出かけましたがすでに長蛇の列。1時間以上並んで入った店内にはパンもおにぎりも何も残っていませんでした。がっかりして店を出ようとしたとき、ふとみた冷凍庫に残っていたのがアルミ鍋に入った冷凍の鍋焼きうどんとちゃんぽんでした。奇跡的に無事だったカセットコンロとボンベを使い、妹と2人で食べた鍋焼きうどんとちゃんぽんの暖かさは私たちに力を与えてくれました。あのときの味は決して忘れません。
「暖かい食べ物は力をくれる」
その経験が、私がパッククッキングを推奨する原動力になっているのかもしれません。
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