TENSEI HIRAKAWA

ライ麦畑でつかまえたい

TENSEI HIRAKAWA

ライ麦畑でつかまえたい

マガジン

  • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜

    2024。 イタリアのローマからイギリス、ロンドンを目指してざっくりとした旅をした。 真っ白い街角で飲むコーヒー。居心地の悪い安宿。 どこかからきこえてくるリズムアンドブルース。 スーパーマーケットの安ワイン。 潮のにおいのしない海。一面の菜の花畑。 純粋や正直。愛みたいな不確かなものを考える夜。 そのすべてが紛れもなく"今のヨーロッパ"で、 それがどんどんとおれを自由にした気がした。 西ヨーロッパを陸路で2ヵ月かけた、 "貧乏だから贅沢"な一人旅。 旅をしながら思ったこと、感じたことの雑記。

  • インドネシア ジャワ島を横断する旅

    あまりイメージが湧かない国、インドネシア。 ただ漠然とジャカルタを出発してジャワ島をひたすら東へ、旅人の楽園バリ島を目指す旅に出た。

  • ラオス・タイ イサーンを歩く旅

    東南アジア最後の桃源郷、ラオス。 タイのディープな東北部、イサーン。 "何もない"と言われているこのエリアには一体なにがあるのだろう。 ラオ族が培ってきた文化や伝統、 イサーンの伝統ダンスミュージック、"モーラム"の足跡を探して。 コロナ鎖国明け、2年半ぶりの5週間の旅の雑記。

  • タイのスイスを目指す旅

    「タイにスイスがある。」 そんな言葉がなんとなく気になって目指してみることに。 マトリョーシカのような5連大仏に、 湖に蓋をするように現れる雲海。 いつものように寄り道ばっかりの、 だらっとしたタイの田舎ひとり旅。

  • ヒマラヤの麓 ネパールの旅

    世界の屋根 ヒマラヤの麓。 大昔から旅人が目指す国、ネパール。 旅人の聖地カトマンズ。楽園、ポカラ。 危険な山道バス、山の上からのパラグライディング、仏教の聖地、火葬場、生き女神クマリ。 神聖でカオスなネパールの旅。

最近の記事

香港コーリング

旅人の聖地を目指して 地下鉄の駅から地上に出るとそこはコンクリートジャングル。 ところは香港。 空港から電車に乗って九龍半島、九龍(カオルーン)駅で降りたところ。 いきなりの洗礼。 超高層マンションに360度囲まれている。 いかにも香港って感じだ。 香港に来た理由、まあいつも大した理由なんてないんだけど。 香港の知識はほとんどなくぼんやりとしたイメージだけ。 ただひとつだけやろうと決めていたことは、 香港一カオスなビル、"重慶大厦(チョンキンマンション)"に泊まる、

    • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 6

      フランス、パリを出発した格安バスは、 貨物列車に乗せられてドーバー海峡を渡って、 ロンドンのヴィクトリアのコーチステーションに着いた。 イタリア、ローマから西ヨーロッパをぐるっと一周して、いよいよイギリス。 最後の旅が始まった、って感じだ。 London Calling もう2ヵ月近くヨーロッパを周ってきたおれには、 特別、ロンドンの街並みにビビることも感動することもなかった。 ただ、おれの大好きな音楽が生まれ育った街ということへの感慨深さ。 リスペクトからくる緊張み

      • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 5

        Being Yourself , Being Myself マドリードから北へ。 バスク地方の海を目指す。 400km、順調にいけば5時間くらいの長旅。 相変わらず長距離バスの中でロックンロールを聴いて車窓を眺めながら言葉を書いてる。 ざっくりとしたルートを取りながらパリを目指してるわけなんだけど。 スペインもぼちぼち終わりだなあ。 昨日、マドリードのブルースバーで知り合ったマルゴーからメッセージが届いた。 "Thank you for being yourself

        • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 4

          アンダルシアに憧れて 列車がアンダルシア地方に入ると、 木が低くて密度の薄い森に囲まれた。 隣の席の男は、大きなジェスチャーを交えながらビデオ通話で家族と話したのち、 ずっと死にそうな咳をしている。 近くにいた若者が彼にのど飴を手渡した。 新しい章に入ったので一応振り返っておこうかね。 ローマから入ってナポリ、サレルノまで南下したのち、大まかにイタリアを北上。 オーストリア、チロル地方のアルプスを抜けてドイツへ。 ドイツを斜めに横切ってオランダ。 アムステルダムか

        マガジン

        • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜
          7本
        • インドネシア ジャワ島を横断する旅
          2本
        • ラオス・タイ イサーンを歩く旅
          9本
        • タイのスイスを目指す旅
          4本
        • ヒマラヤの麓 ネパールの旅
          2本
        • インドに呼ばれて
          7本

        記事

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 3

          昼下がりのパリはこれでもかってくらい柔らかい風が吹いてるぜ。 ヨーロッパ旅のリベンジ。 ベルギーのブリュッセルで全財産を盗まれて、急遽東京を経由。 それからクレジットカードの再発行なんかで、1ヶ月空いて再開。 パリの片田舎ボーヴェ空港から、 市内までバスで向かってる時、 一ヵ月前に、オランダからブリュッセルに向かうバスに乗ってる時のフィーリングが戻ってきた。 窓の外のだだっ広い菜の花畑をぼーっと眺めてたら、 まるっきり違和感がなく、旅の続きが始まった感じがした。 ヨー

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 3

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 2

          アルプスの真ん中 北に行くに連れてめきめきと寒くなってきた。 標高も高いのかもしれない。 もうさすがにバルコニーでだらだらできないくらいには寒い。 オーストリアのインスブルックという街にいる。 チロル地方というところ。 ぐるりをアルプス山脈に囲まれた静かな都市だ。 一粒数センチありそうな羽毛みたいな軽い雪が舞っている。 ドット柄の街みたいですごい綺麗。 オーストリアに入って、きっとこれがドイツの空気感なんだろうなあってノリに変わった。 イタリア語からドイツ語になったし

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 2

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 1

          イタリア、フィウミチーノ空港の外に出ると、 すぐそこで若い女の子たちが煙草をばんばん吸ってた。 もうすでにイタリア、好き。 ローマの朝 ローマに着いた。 ここから地道なヨーロッパ旅が始まるんだなあ。 予約した宿。 地図を頼りにたどり着いたけど、ただのアパートメント。看板も出てない。 場所を聞こうと電話をかけたらチェックインまで待てとのことで、 重い荷物を背負ったまま道端のカフェテリアで粗末なパンと、とてもスムースなラテ。 片耳は街の音、もう片耳はビリーホリデイ。 いつ

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 1

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 0

          アラブの夜明け ドバイメトロを降りると夜が明けていた。 深夜のアブダビ空港からアラブ人でギチギチのバスに乗っかってドバイにきた。 金融街かなんかなんだろうか。 若くて大きなビルが並ぶ整然とした大通り。 どこか嘘っぽい大都市。 香港かシンガポールを思わせる。 落ち着かなくて路地に入る。 煤けた色の団地群のようなものの横をしばらく歩くと、道端にチャイ屋やモスクが現れる。 ハリボテのビル街からちょっと路地に入れば、そこに"生活"があるよなあ。 道端で甘いチャイと煙草を

          泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 0

          タイのスイスを目指す旅 4

          前の記事↓ 「タイのスイスを目指す旅」と言っておきながらもとっくに帰り道。 ここからはバンコクの生活になる。 結局いつも通りのやつ。 目と鼻の先、パトゥムターニーからバンコクに帰ってきた。 中華街ヤワラートの安宿はシャワートイレ共同だけど、部屋のテレビではYouTubeなんかが見れて快適。 美味しいチャイニーズフード目当てでヤワラートに来たのにこの日は月曜日。 ヤワラートのレストランは軒並み定休日。 しばらく歩き回ったけど開いてるチャイニーズレストランは全然なくて

          タイのスイスを目指す旅 4

          タイのスイスを目指す旅 3

          前の記事↓ 旅の目的地カオコーから、バスでピッサヌロークのバスターミナルまで戻り、その足で鉄道駅へ。 ピッサヌロークに泊ってもよかったんだけど、 行きに一泊して、だいたい雰囲気がわかったので、せっかくなら知らない所へってことで、 たどり着いたのがピッサヌローク県のお隣、ピチット県だ。 ピチット市内、国鉄のピチット駅あたりの宿は中心地から離れた高級ホテル以外すべて完売。 考えた末に、駅前の安宿が取れた、タパーンヒンというもう少し先の町に降り立った。 タパーンヒンは今ま

          タイのスイスを目指す旅 3

          タイのスイスを目指す旅 2

          前の記事↓ 昨日下調べした通りに、ピッサヌロークのバスターミナルからペッチャブーン行きのバスに乗って、 カオコーの最寄り、ケームソンという町でバスを降りた。 バス停で降りたとて、そこにタクシーはおろかバイタクが居るわけでも、ローカルバスが通るわけでもない。 近くに取ったホテルまで20分くらい歩く。 周りには幹線道路とちょっとした山々以外に何があるわけでもない。 標高が上がったからか日差しは強いけど空気が乾いていてわりと涼しい。 昨日の段階で唯一空室のあった国道沿いの安

          タイのスイスを目指す旅 2

          タイのスイスを目指す旅 1

          タイのスイスと言われる場所がある。 「今度またタイに行くことにしちゃったんだけど、どこか面白いところありますか?」 顔馴染みのタイ人に聞いてみた。 「ペッチャブーン県に面白いお寺がありますよ。」 そのお寺は前になにかで見たことがあって気になっていた場所だった。 「お寺があるカオコーっていう所は涼しい高原で、タイ人の観光客に人気。とてもスワイ(綺麗)です。」 スマートフォンで写真を見せてもらうと、 それはとても綺麗な山々で、全然おれの知ってるタイっぽくない。 どっち

          タイのスイスを目指す旅 1

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 9

          前回の記事↑ ついにイサーンの旅を終えて、ナコーンラーチャシーマーからバンコクに帰る。 最後の大移動。 ラオス、イサーンの旅って言っておきながらも、 やっぱりバンコクから入ってバンコクに帰ってからのことも含めて書いてみようと思う。 面白かったので。 だいたいいつものバンコクは旅を終えて寄り道して、 なにもせず毎日、日本食ばっかり食べて自堕落に過ごす、 "沈没生活" だけど、 今回はバンコクでも久しぶりに "旅" というマインドで遊んだ。 旧市街の宿の最寄駅はナコーンラー

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 9

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 8

          前回の記事↑ イサーン旅のゴール  ナコーンラーチャシーマー ブリーラムから列車で2時間、 ナコーンラーチャシーマーについた。 イサーンをずっと旅してきたおれにはえらい都会だ。 タイ側から見て、イサーンの玄関口になるこの町が、ラオスから入ってバンコクに向かって南下してきたおれの旅の終点だ。 ウボンと同じく、タイ人は名前の長いこの町をコラートという略称で呼ぶ。高原という意味らしい。 お堀に囲まれた旧市街がコラートの中心エリア。 ナコーンラーチャシーマー駅の3kmくらい

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 8

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 7

          前回の記事↑ ついにイサーン旅のゴールが見えてきた。 ここからは鉄道の旅。 最終目的地、ナコーンラーチャシーマーを目指し西に向かう。 シーサケートへ タイ最東の最果てのウボンの駅は緑に囲まれた長閑な所にあった。 次の町シーサケートまでは13バーツ(50円弱)、タイの国鉄はバスやロットゥー(乗り合いバン)よりもずっと安い。 チケットを買って列車が出る時間まで、 駅前の屋台で買ったパイナップルを食べて待つ。 甘いフルーツにはチリソルトをかけて食べるのがタイのスタイル。 人

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 7

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 6

          前回の記事↑ コーンケンで束の間の休息。 ここからまた旅が始まる。 相変わらずこの先になにがあるのかわかってない。 ウォートタワーの町ローイエット コーンケンからローイエットまでは、大型バスで2時間の移動だった。 バックパックと別に、コーンケンで買ったエレクトリックピン(弦楽器)が増えたので、荷物の置き場のないロットゥー(乗り合いバン)じゃなくてちょうどよかった。 それにバスターミナルからのバイタクも、ピンも上手いこと背負ってなんとか乗れたので、一安心。 ここからの

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 6