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日本の冠婚葬祭~通過儀礼②~

このブログでは、日本の儀式を見直し、少しでも後世に継承していきたいという想いで様々な行事や儀式をご紹介しています。今年の1月から冠婚葬祭儀式の内容に入り、2月からは通過儀礼について書いております。前回は『誕生』の儀式について触れましたので、今回はそれに続く儀式についてのご紹介となります。

前回のブログはこちら

人がこの世に生を受けてから初めての誕生祝いまでに迎える儀礼には、『お七夜』『命名式』『お宮参り』『お食い初め』『初節句』などがあります。
本日はその中で、『お七夜~命名式』について書いていきたいと思います。

『お七夜』は子どもの健やかな成長を祈願する儀式で、名前の通り生まれてから七日目の夜に行います。昔は新生児の死亡率も高く、七日間という期間はこれから無事に生き抜けるかどうかの節目になると考えられていました。さらに子どもは、生まれてからの七日間は「産神(うぶがみ)」として神様からお預かりした存在であり、家族や親族から崇められる対象とされていました。七日目の夜を迎えると、ようやく神の子から人間の子になるとされ、世の中の一員として認められるようになります。

そこでようやく名前が付けられ、その名前が書かれた『命名書』を親戚や親類縁者、ご近所などにお披露目をしました。これを『命名式』といいます。
昔は祖父母や地元の有力者、結婚式の時の媒酌人などが『名付け親』となり、子どもの名前を付けてもらうという風習がありました。それは、その名付け親にあやかって健康で長生きできるようにとか、立身出世するようにという願いが込められたものでしたが、気に入らない名前でも親御さんは「いや」と言えなかったでしょうから辛いところですね。

現代では、親御さんが名前を決めることが主流になっていると思いますが、どのようにして決めているのでしょうか。お母さんが好きな芸能人やお父さんが好きなスポーツ選手の名前、または今風のトレンドの名前をつけたいという気持ちなどがあるかもしれませんが、お子さんが一生名乗っていく大切な名前だという事は忘れずに考えて欲しいものですね。

日本では名前に漢字を使うことが多く、同じ発音でも様々な文字で書き表すことができますので、世界の中でも名前のバリエーションが多い国のひとつとなっています。

最近の傾向では、連、碧、凪、凛、翠、紬、結など、少し趣を感じるような落ち着いた文字を使った名前に人気があるようです。また、男女に関係なく名乗れる「ひなた」「あおい」のような、ジェンダーレスの名前も増えてきたようですので、この辺は時代の影響が感じられますね。

いずれにしても、姓と違って名前は一生付き合っていくものですから、親御さんの愛情がこもった大切な名前を考えてあげて欲しいと願います。


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