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【百秘本080】究極の家族小説といえばこの1冊、リアルが詰まる

百秘本ご購入のルール

一、タイトル秘密です。
二、返品はできません。
三、他の人には教えないでください。

この本を百秘本にした理由

一見して幸せで理想的な、いわゆる「普通」の家族に見えても実は様々な問題や特性を内包しているかもしれません。その内包する偏差ともいうべきリアルを、この小説は描ききっています。作中、父親が発する魂の言葉は、刺さります。家族とはそういうものだと、気持ちいいほどに腹落ちします。そして、もしかして動物まで概念を広げてもそうなのではないかと思えます。大切な家族に生じる小さな偏差が最終的に大きな衝撃に変わっても世の中少しもおかしくありません。

百秘本を楽しむ方法

  1. 百秘本に書かれているコメントを読み、直感を信じてご購入ください。

  2. 百秘本をお楽しみください。

  3. 読んだ感想はタイトルを伏せて、百選本専用の#(ハッシュタグ)をつけてInstagramやXで投稿してください。

  4. ”つながるハッシュタグ”をSNSで検索し、その投稿に対してコメントを送ってみましょう。また、同じように送られたコメントに対して、返信してみましょう。

  5. 百選本のカバーに記されている”次に読む本”を参考に次の百秘本/百選本を選んでみましょう。

百秘本の”つながるハッシュタグ”

下のハッシュタグをつけて、InstagramやXで感想を発信して下さい。また他の読者の感想をさがしてコメントして下さい。ただし、まだ百秘本を読んでいないお客様のために、本のタイトルがわかる発信はお控えください。

#百秘本080 ※数字は半角で

また、以下のハッシュタグも合わせて使うことにより、他の百秘本を読んだお客様とつながることもできるかもしれません。

#百秘本
#天狼院書店

ご交流はお互いにマナーを守り、ポジティブな内容でお楽しみください。
天狼院書店へのコメントもお待ちしております。

これからの百秘本

百秘本では、これから様々なプロジェクトをご用意しております。MOVIEやライブイベントなども水面下で準備を進めております。すべての百秘本を攻略するとーー
このさきは、まだ”秘密”です。
天狼院書店のInstagramやX、または#百秘本で検索するか、店頭でご確認ください。この一冊の百秘本はまだまだ入口に過ぎません。

天狼院書店のSNS

天狼院書店公式Instagram

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■ 百秘本物語080スクリーンプレイ

うず高く積上げられた本が林立する空間。
リーディング・チェアに座り、目が血走る勢いで真剣に本を読む若い女性080がいる。
彼女は黒いカバーが掛けられた文庫本をものすごい早さで読み進めている。
そのカバーには「080」の文字が白いペンで書かれている。
080「どうして、どうしてなの・・・」
そうつぶやきながら読んでいる。
見えないスピーカーからマイクが入れられる音がする。その女性080は食らいつくようにその方を見る。
優しげな男性の声がその狭い空間に響く。
男『お時間になりましたが、読了、されましたでしょうか』
080「どういうことなの! あなた、やっぱり最初から知ってたのね!」
噛みつくように言う。
男『と、言いますと?』
080「知っているから、自信があったんでしょ? 最初から、最後にこの本を持ってくれば、必ず私が動揺するって知っていて。そうか・・・・・・」
と、驚愕の表情でカメラを指す
080「あの子ね、あの子があなたに教えたのね。だって、目玉焼きのフルコースのことなんて、あの子以外に話たことがない」
男『断片的な情報しかありませんでした。ですから、この本を読んで頂き、真偽のほどを確認しようと思ったのですが、思った以上に効果があったようです。つまり、真実なんですね』
080はもはや、怯える表情で、カメラの方を見る。
男、それを確かめるように間を空けてから言う。
男『最初、家族がいない子供時代を送ったのかと思っていました。また、母親か、あるいは父親との関係性に問題があったのかとも思いました。ですので、009で一般的な家族環境のリトマス試験を行い、032で親との関係を確認し、040で母親との関係を確認しました。そのどれにも共感しませんでした。それもそうですよね。それらの物語は、どれもが子供のほうには問題がなかったのですから。でも、あなたは違う』
080は、息を呑むようにして、聞き入っている。
男『あなたが、家族を壊したのです。あなたが、実の兄に恋をして、それが原因であなたが家族を壊したのです。幼い日に、お兄様から、目玉焼きのフルコースを振る舞われてから、お兄様を異性として意識するようになった。今半のお弁当は、家族旅行でお兄さんと一緒に食べた思い出だったんですね。あなたのその想いさえなければ、壊れなかった家族。でもーー』
と、男は間を取って続ける。トーンが柔らかになる。
男『あなたは何も悪くはない』
080「え・・・・・・」
男『だって、この小説080の登場人物の妹を、誰が責められますか? 好きになったのが、兄ということがそれほど罪なのでしょうか? あなたは、何も悪くはない。あなたが家族を失ったという罰は、重すぎる報いだったのではないでしょうか』
080、うつむき、大きく首を横に振る。
080「私が悪いの! 私が悪かったの! 私さえ我慢していれば、みんなが幸せだったのに!」
男『でも、あなたも学んだんじゃないですか? この本を読んで』
080、顔を上げる。
男『幸せなんて、幻想的で刹那的なものなのですよ。この小説の前半は完璧なほどの幸福に包まれて、それが逆に危うさを感じさせます。当たり前のような、とても尊い幸せというものは、こうして脆くも崩れてしまうのではないでしょうか。そして、また組み上げればいい。幻想的で刹那的なものであれば、海辺の砂の城のように、また何度も造ればいいじゃないですか』
080「私が、幸せになってもいいって言いたいの?」
男『はい、そうです。ただし、残念ながら、課題にクリアできませんでした。あなたに選択肢はありません』
080「どうせ、死なないんでしょう?」
男『プロトコルに抵触するので、その質問には答えられません』
と柔らかく言う。
急に暗転する。
しばらくして、再びマイクがオンになる音がする。
明かりが点くが、彼女はもうそこにはいない。
男『現場009-080ラインより、通達。ウォールーム、応答を願う。・・・・・・22:34現在、プロトコル完了、確認乞う。・・・・・・待機場所にて、次のプロトコルを待つ、以上、通信終了』
暗転して、CRAZY BOOK CLUBのロゴマークが浮かび上がる。

『百秘本物語』

※MOVIE『百秘本物語』は天狼院書店の公式Instagramで配信中です。

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