どんな作品も自身の肖像。
私の場合、自身が運営する出版業だけで食べて行ければそれが一番ですが、そううまくいった試しはありません。
だから、クライアント仕事、つまり他人様の制作物を受注してお金を稼ぎ、それを印刷代につぎ込んでは本を作るという自転車操業です。
クライアント仕事は、引き受けて楽しい企画のこともありますが、だいたいは正直、苦痛です。
それなのに、根を詰める性分が災いして、上手く手を抜けません。
他人の制作物で精根尽き果てて何やってんだか・・・、と頭を抱えることもしばしばです。
そんなときに思い出すのが、この言葉。
陶芸家の松崎芙美子さんをインタビューしたときに伺いました。
ストンと腑に落ちました。
そして、自分が少し恥ずかしくなったことを覚えています。
仕事の品格は気骨が作るのだと、身に染みた言葉です。
(写真)今もクリエイティブな感性は輝きを放つ。松崎氏の自宅にて(2022年撮影)