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手の間
2024年1月15日 13:00
はじめの『モカに始まり』「私が書く本は、生涯に一冊だけです」。森光宗男さんはそう言って、推敲に推敲を重ねた原稿を私に託した。森光さんの原稿を読むのは、それが初めてではなかった。最初に読んだのは1995年。彼が珈琲産地巡りを重ね、モカコーヒーの謎に迫る核心を掴み始めた頃のことだ。それから数回、彼が書く物を読み、編集し、雑誌に掲載した。原稿にはいつも、ほとばしる珈琲愛と、目を輝かせて遊ぶ