熱いけどお灸をすえれば免疫は上がります
お灸と言うといまは熱くない温灸が一般的になってしまいました。
釜屋ミニとか千年灸灸と言う商品が代表的なものです。
免疫を上げるには熱く肌を焼くお灸でないと、免疫は確実に上がりません。
昨日も「M-1グランプリ」の審査員をされていた、立川志らく師匠はお灸好きです。
なぜかって? それは彼のおじいちゃんが昭和の名灸師でしたから、小さいころからお灸の治療をしてもらっていたそうです。
なぜ知っているかって?
10年以上前深夜のNHKラジオ番組で師匠が話されていたからです。
「疲れたりするとお灸を良くすえに行きます。そこの先生が言うんです。お若いのに灸を据えに来るなんて、殊勝なことですね。いえいえ、昔よくおじいちゃんに据えてもらっていましたから。
ホー、その方のお名前は?深谷伊三郎と言います。するとお灸の先生は「それはそれは深谷先生のお孫さんでしたか。」
鍼灸学校の生徒でしたから、興味を持って番組を聞いた覚えがあります。
深谷伊三郎の名前を出した途端、お灸の先生にとっては水戸黄門の印籠を出された思いだったかもしれません。
1,どこでも良いのでお灸で肌を焼けば免疫は確実に上がります
30年ぐらい前まではどこの家庭にもお灸は常備されていたかもしれません。
鍼は正確にツボに刺さなければなりませんが、お灸の場合は少しずれても出来るので民間療法として行われていました。
皮膚を焼く→水ぶくれになりやがて破れる→空気中の雑菌が付着する→殺菌するため白血球が増産されます→膿が出てやがて皮膚が修復され治ります。
この一連のメカニズムで免疫が上がるのです。
赤血球が増えるかどうかは説が分かれています。
大正時代は研究が行われていましたが、お灸が流行らなくなったからかお灸の効果については見かけなくなりました。
2,欧米人は肌を焼くことは嫌うと言われていたが、論理的に話せばお灸も受け入れる
鍼灸学校卒業後すぐアメリカに行き、開業をした松本岐子さんがいらっしゃいます。
帰国するごとに先生を探した末に故長野潔先生の一番弟子となりました。
長野式治療法を彼女なりにアレンジし、初心者でも覚えやすくしセミナーを開いています。
画期的なことと思いますが、彼女はハーバード大学医学部の生徒に鍼を教えていました。
彼女の鍼灸雑誌に載る論文に患者さんの話が掲載されていて、欧米人はお灸で肌を焼くことは極端に嫌うと我々は教えられていましたが、その認識を覆されるエピソードが語られていました。
鍼のほかにお灸をすえるそうですが、お灸の効果を論理的に話せば彼らも納得して治療を受けるそうです。
3,弥次さん喜多さんはお灸をしながら伊勢参りをした
今の子供は「東海道中膝栗毛」などは読むのでしょうか?
日本で初めてLGBTが主人公の小説ともいわれています。
弥二さんと喜多さん二人がお伊勢参りする面白話なのですが、二人が恋仲なのはあまり知られてはいませんでした。
それを宮藤官九郎さんが脚本監督されたありのままの映画が公開されました。
その二人が道中で毎日行っていたのが、足三里と言うツボのお灸でした。
ここにお灸をすると胃腸の動きを良くする働きがあるので、旅の疲れも取れるようになります。
4,庶民は所得に応じお灸治療を使い分けていた
今は皆保険で誰でも医療が受けられますが、大正昭和初期ぐらいまでは庶民は貧しかったので、民間療法の鍼やお灸を利用していました。
費用のかかる順にすると、西洋医学 鍼治療 お灸 でした。
お灸は民間療法として各家庭でも行われていました。
灸に行くお金がないときは、灸点といってどこにお灸をすえるか目印をつけてもらい、自宅で自分でお灸を据えることをしたそうです。
それができない時は自分で本を見たり、詳しい人に教えてもらって自分ですえることがあったようです。
鍼よりもお灸の方が庶民にはなじみのある治療法でした。
5,「お灸で病気を治した話」は治療家にとってアイデアの宝石箱や~
深谷伊三郎師は弁護士を目指していたそうなのですが、その頃良く見られていた肺結核を患いこの道に入ったそうです。
ペニシリンが肺結核の薬として知られていますが、結核菌を絶滅させることは出来ません。
結核菌を眠らせるだけです。その後お灸で白血球を増すことが出来ると、結核菌は絶滅できます。
深谷先生は東京都のお灸の技術部長になりました。
会員向けにタブロイド判で名著「お灸で病気を治した話」を発行されて、レベルアップを図ることもされていました。
そこにはいろいろな症例が掲載されています。
関節リウマチから脳卒中後遺症、精神疾患等々、治療はいろいろな分野に広がています。
まとめ
1,お灸でどこでも肌を焼けば免疫はあがる
2,日本のお灸が世界に広がる
3,お灸は免疫が簡単に上がる民間療法として広く行われていた
4,所得の段階によってそれぞれのお灸が行われていた
5,有名落語家のおじいちゃんは、功績を残したお灸の名人でした
最後までお読みいただきありがとうございました。
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