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ウォームアップでスポーツ傷害を防げ!15〜20分でOK!

スポーツをする上で、怪我は避けて通れないものの一つです。
成長期の子どもや青少年にとって、怪我はパフォーマンスの低下や成長の妨げとなる可能性があります。
では、どうすれば怪我を防ぐことができるのでしょうか?その答えの一つが「ウォームアップ」です。

最近の研究によれば、ウォームアップをするだけで怪我の発生率が36%も減少することが分かっています。
今回は、このウォームアッププログラムの効果について詳しく見ていきましょう。


15〜20分でOK!とりあえずウォームアップをやろう

結論から言うと、ウォームアップをすることで、怪我を予防する効果は36%程度向上します。特に15〜20分のウォームアップが効果的です。どのプログラムでも大きく差はないため、自分に合った方法を見つけて実践することが大切です。

ウォームアップって何をすればいいの?

ウォームアップとは、スポーツや運動を始める前に行う体を温め、筋肉や関節を動かす一連の運動です。
具体的には、筋力を強化するトレーニングやバランスを取るための運動、そしてストレッチが含まれます。

特に、以下の3つのタイプのウォームアップが効果的とされています:

  1. 神経筋プログラム:筋力、柔軟性、バランスを向上させる運動。

  2. バランスプログラム:体の安定性を高め、転倒や怪我を防ぐための運動。

  3. 総合プログラム:有酸素運動、筋力強化、バランス、柔軟性を組み合わせた運動。

これらのプログラムは、それぞれ異なる特徴を持っていますが、どれも怪我の予防に効果があることが確認されています。

研究では、神経筋プログラムが一番効果があったとの記載があります。
ただ、その差は2%程度なので、実際はどれをやっても良いかと思います。
好みや、スポーツの種類によって変えても良いでしょう。

各プログラムの具体例(時間を含む)

1. 神経筋プログラム (Neuromuscular Program)

このプログラムは、筋力、柔軟性、バランスを重点的に鍛えることを目的としています。1回あたり15〜20分が目安で、週に2〜3回行うのが推奨されます。

具体例:

  • スクワット(10〜15回 x 3セット、休憩30秒)

    • 脚の筋力強化と体幹の安定性向上。重りを使うことで強度を調整可能。

  • プランク(30〜60秒 x 3セット、休憩30秒)

    • コアの筋力を鍛え、姿勢を安定させる。

  • 片脚スクワット(各脚10回 x 3セット、休憩30秒)

    • 足首や膝の安定性を向上。バランスを取りながらの動作。

  • サイドランジ(10〜15回 x 3セット、休憩30秒)

    • 股関節周りの柔軟性と筋力を強化。怪我予防に効果的。

  • バランスボールを使った片脚立ち(各脚30秒〜1分 x 3セット)

    • バランス感覚を向上させ、体幹の安定を強化。

2. バランスプログラム (Balance Program)

バランス感覚を鍛えることで、スポーツ中の転倒や怪我を予防するプログラムです。15〜20分程度の時間をかけて週3回行うのが理想的です。

具体例:

  • 片脚での立位バランス(各脚30秒〜1分 x 3セット)

    • 目を閉じて片脚で立つことでバランスと固有受容感覚を向上。難易度に応じて立つ時間を調整。

  • バランスボード上でのエクササイズ(1〜2分 x 3セット)

    • 不安定なボードの上で立ったり動いたりすることで、動的なバランス力を強化。

  • シングルレッグ・デッドリフト(各脚10回 x 3セット、休憩30秒)

    • 背中と脚の筋肉を鍛えながら、バランスも養う。ダンベルを使用して負荷をかける。

  • ラテラルステップアップ(各脚10〜15回 x 3セット、休憩30秒)

    • ステップ台を使って片脚でバランスを保ちながら昇降する運動。膝と足首の安定性を向上。

  • 片脚ジャンプからの着地(各脚10回 x 3セット、休憩30秒)

    • 片脚でジャンプし、安定して着地することで、動的バランスと反射神経を鍛える。

3. 総合プログラム (Comprehensive Program)

全身の筋力と持久力、柔軟性をバランスよく鍛えるために、有酸素運動と筋力強化運動を組み合わせたプログラムです。1回20分程度を目安にし、週に3〜5回行うと良いです。

具体例:

  • ジャンピングジャック(1分 x 3セット、休憩30秒)

    • 全身の有酸素運動で心拍数を上げ、準備運動としても最適。

  • ランジウォーク(30〜40メートル x 3セット、休憩30秒)

    • 前進しながらランジを行い、脚の筋力とバランス感覚を鍛える。

  • ドロップジャンプ(10回 x 3セット、休憩30秒)

    • 高い位置からジャンプして素早く着地する動作を繰り返し、膝の安定性と瞬発力を向上。

  • バーピー(10〜15回 x 3セット、休憩30秒)

    • 全身を使った有酸素運動で、持久力と筋力を同時に強化する。

  • ヒップブリッジ(10〜15回 x 3セット、休憩30秒)

    • 背中や腰の筋肉を鍛えながら、体幹のバランスと安定性も向上させる。

怪我を防ぐためにまずはスタート!

毎回のスポーツの前に、15〜20分のウォームアップを取り入れることが、最も簡単で効果的な方法です。
体が温まることで、筋肉が柔軟になり、動きがスムーズになり、怪我を防ぐ準備が整います。

本論文では、実施率が70%を下回る場合には、傷害予防効果が激減することが示されています。

せっかくやるのだから、しっかりと行って傷害予防率を低くしたいものですね。

結論:15〜20分のウォームアップでスポーツライフを安全に!

ウォームアッププログラムを実施することで、スポーツ中の怪我のリスクを確実に減らすことができます。
神経筋やバランスの運動、さらには総合的なプログラムを組み合わせて、効果的に体を準備しましょう。
とりあえず15〜20分のウォームアップを行い、スポーツを楽しんでください!

参考文献: Ding, L., Luo, J., Smith, D.M., et al. (2022). "Effectiveness of Warm-Up Intervention Programs to Prevent Sports Injuries among Children and Adolescents: A Systematic Review and Meta-Analysis."

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