質問152:力まないコツは?
回答
▶ミスが気にならなくなる
結果をしっかり出されていて何よりです。
今後も焦る必要はまったくありません。
そのうち当たり前のようにレベルの高いテニスができてきて(「あたりまえ化」の法則)、ミスしてもほとんど気にも留めなくなってきます。
なぜならテキストを実践している限り「今」に集中が習慣になるからです。
ミスしたのは0.1秒前でも「過去」という認識ですからね(関連記事「『もう』と『まだ』の狭間に『集中』がある」)。
また仰せのとおり「ボールの見方」に関しても、それが「あたりまえ」になるから上手くいきます(参考文献『どんな人でも1番結果が出る勉強法 合格は「あたりまえ化」の法則』宇都出雅巳著・TAC出版)。
▶「力を入れないと強いボールが打てない」という勘違い
ご質問に関して、なぜ力んでしまうのかというと、恐らく「その力感で打たないと強いボールが打てない!」というイメージがあるからでしょうね(関連記事「無意識に力んでしまう」)。
体はイメージに沿って動きますから、無意識のうちに「これくらい力まないとパワーが出ない」とプログラミングされている。
このようなプレーヤーに「力むな」「リラックスしろ」と伝えても、上手い具合にいい結果が現われるとは限りません。
むしろ「どれくらい力を抜けばいいのか?」「これは抜きすぎではないか?」などと考え事(セルフトーク)が多くなって、ますます問題を大きくさせてしまう原因になりやすいのです。
▶失敗するのは「考えるせい」
仕事や日常生活でも私たちがあれこれ失敗してしまうのは、「考えるせい」。
太らないようにしようと「考える」せいで、食べ物のことばかり「考えて」しまい、食事中にもダイエットについて「考える」から十分に味わえないトレードオフの相関で、余計に食べ過ぎて太る、みたいに。
大げさかもしれませんけれども、考えるから、ときに「死にたくなったり」も、するのではないでしょうか……ね?
逆に言えば「考えない」でいられるようになると、五感からの情報収集精度が高まるぶん、仕事や日常生活、もちろんテニスも上手くいくのですね。
▶自然体を意識すると「不自然になる」
あるいは「手首を柔らかく使え」「ヘッドスピードを上げろ」というのも、自分の体の動きを意識させるアドバイスですから、余計に硬くなりがち。
意識すると、動きは硬くなるのです。
たとえれば、人から見られていることを意識するほど、緊張して動きがギクシャクするようなものです(笑)。
自然体を意識するほど、「不自然になる」という皮肉。
それが証拠に、「呼吸を自然にしよう」と意識すると、意識していなかった今までに比べて、少なからず「息苦しさ」を覚えるはずです。
▶ナイスショットは「打ち応えがない」
力みを取るために、力みやリラックスについて考えない、ここが大事なポイントです。
その上で、先述した不具合のある「その力感で打たないと強いボールが打てない!」プログラムを書き換えます。
具体的にどうすればいいかというと、「打ち応えを感じる」のです。
「打ち応え」というと、「食べ応え」「飲み応え」などのように、どこかいい印象があって、人はそれが「あるほど良い」と思い込みがちですが、案外そうとは限りません。
もちろん打球感の強さは物理的にあるのですけれども、力みなくスパーンと打ったショットというのは、「打ち応えがない」。
当たりは強くても、衝撃はいわゆる「マイルド」なのです。
▶オフセンターヒットすると「ギュッ」する
野球のバッターでも、バットの真芯でボールを捕らえると、スコーンと抜けた当たりになりますが、根本や先端で打つとジーンと響きますよね。
テニスでは、スイートスポットでボールを捕らえると、力まなくてもラケット面を支えられますが、オフセンターヒットするとラケット面がブレるため、ボールに押されないように無意識的にグリップをギュッと固める力みが入りがちです(それでもボールに押されると持ちこたえられないから、ラケット面の上側で打つと面が開いてバックアウト、下側で打つと面が伏せられてネットミスになりがちです。関連記事「インパクトで『ギュッ』がいらない理由」)。
ですから『テニス上達のヒント』が伝えるとおり、スイートスポットで捕らえないことには、エラーが発生するのですけれども、それはフォームとは関係がない話であり、むしろフォームをプレー中に意識するから、スイートスポットを外すエラーが発生するのです。
▶切れ味鋭い包丁は「スパッと切れる」
力みなくスパーンと打ったショットというのは、「打ち応えがない」と先述しました。
これはたとえるならば、錆びた包丁だとザクザクと「切り応え」はありますが、切れ味鋭い包丁だと、スパッと、それこそ抵抗感なく切れてしまうようなものです。
つまり、力んでいるというのは、錆びた包丁で打っているようなイメージで、疲れる分、「やり遂げた感」「達成感」みたいなものはあるかもしれませんが、結果は芳しくなかったりします。
▶錆びた包丁を「研ぐ」ために
ということで、「打ち応えを感じる」と書きましたが、極力それがマイルドであるほうが、リラックスして打てているということになります。
そのためには、フィジカル的には打球衝撃を「大」「中」「小」のレベルで感じる。
一方メンタル的には、強く打とうとした意識の度合いを「大」「中」「小」のレベルで感じるということを、練習で体験されるのをおすすめします。
打った直後に、打球衝撃が「大だった!」「小だった!」、強く打とうとした意識が「大だった!」「中だった!」と感じるようにします。
この作業が、包丁でいう「錆取り」の作業になります。
▶客観的に感じるだけでいい
このときの注意点は、「大はいけない!」「小だからいい!」などと、主観的に評価しないこと。
また、リラックスしようとか、手首を柔らかく使おうとか、「考える」こともしません。
ただ、客観的に「感じる」だけです。
感じることで、体は自動的に、最適な力の入れ具合、抜き具合を自修するからです(関連記事「『自然上達』する学習能力を取り戻す」)。
「このくらいの食事量にしよう」などと考えなくとも、十分に味わって食べれば、食べすぎず、程よい量に調整されるのと同じです。
▶力は「抜く」と発揮される
あとは、『究極のテニス上達法』を実践していれば、意識しなくても自然とそうなるはずですけれども、力んでしまうようであれば「息を吐きながらスイング」するのがおすすめ。
インパクトの瞬間に息を止めると、力んでしまいがちです。
力んでも、強いボールは打てません。
力は、抜くと(効果的に)発揮されるのです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
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