質問1546:フォームをいじったらタイミングが取れなくなり、入れるだけのサービスになっている
▶「分かってしまう」怖ろしさ
打つ前(恐らくトロフィーポーズ)で肘が90度よりも曲がっていると分かっていらっしゃるのであれば、90度に角度を保ってサービスを打てばいいのですよね。
だけどそれが、できなくなる。
これが、私が常識的なテニス指導が行うフォーム矯正を「危険視」する理由です。
「テイクバックが大きすぎる!」
「体が前を向きすぎている!」
「ヒザが棒立ちになっている!」
本人は気にしていなかったにも関わらず、「分かってしまう」のです。
もちろん、フォームを指摘されて、上手くいく人もなかにはいるかもしれません。
しかし私の知る範囲に限定されますけれども、ほとんどの人が、前より調子を崩します。
▶伊藤あおい、錦織圭、そしてイチロー
そのような指摘を伊藤あおい選手のように、「気が向いたら」といって受け流せればよかったのです(関連記事「『伊藤あおい選手』が私たちに与えてくれる希望!」)。
あるいは錦織圭選手は「スルー」したから、エアKが生まれました。
そしてテニスに限らず野球ではイチローも、中学の野球部入部にあたって「フォームはいじらない」条件を父親が監督と交渉し、チーム加入に至ったのです(関連記事「錦織圭もイチローも、フォーム改造に『ノー』」)。
▶「分からない」のがポイント
気にしない、すなわちテニスは「無意識」で行います。
言い換えれば「潜在意識」を活用するコツは、「分からない」です(関連記事「潜在意識の働きを活性化する最大のポイントは、『分からない』というのが、最大のポイント!?」。
自分がどういう動き方、どういうフォームになっているのか分かってしまうと厄介。
こちらでもご紹介しているとおり、ゴルフで特にパッドに定評のあった佐藤信人プロが、ゴルフ雑誌に掲載された自分のバッティングの連続写真を見て「分かってしまい」、調子を崩してしまいました。
▶サーブ「空振り問題」発生
仰せのとおりボールの毛を見るのは確かにサービスの場合、ストロークやボレーなどと違ってスピードが遅いトスですから、ボールに集中してタイミングを測るうえで有効です。
今回のお悩みを解決に導くには、視覚と思考はトレードオフの相関を利用し、ボールの毛を見て、「肘を90度に保つ」などの考え事をなくし(集中して見ると考えられなくなります)、自分のスイングやフォームがどうなってるのか「分からなくする」のです(関連記事「言葉が思考を刺激する」)。
こちらにも書きましたが、ある有名大学テニス部の監督が著したサーブのレッスン本を読んだら、大の大人でかなりのテニス経験者であったにも関わらず、サーブを「空振りした」というエピソードが想起されます。
▶「入れるだけ」になった理由
改めまして、「さらに良くしようとして、良いものを駄目にしてしまうことが多い」と言ったのは、シェイクスピアでした。
指摘される以前は、「良いもの」を持っていたのです。
それが指摘されて「分かってしまった」ために、より良くしようとして、入れるだけのサーブになってしまいました。
▶信じ切れば、振り切れる!
上記のご申告が気になります。
必ずしもそうとは決めつけられませんけれども、こちらで定義した(5)(6)に該当しないかどうか、という点で。
今回の回答だけで治るかどうかは分かりませんが、私が今、ここでお伝えできるのは、せいぜいこれくらい。
意識しない、分かろうとしない、自分のスイングやフォームは、今は「これでいい」と信じ切れば振り切れます!
自分のスイングやフォームを「自己肯定」できないから、いつも疑問視し、考え事をしてセルフトークが止まず、懐疑的になり、躊躇して、振り切れなくなる。
ご健闘をお祈りします!
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