
腋窩神経障害 ー発生メカニズムと評価〜治療の提案ー
難しすぎる肩痛の解釈
何かしらの肩関節疾患を担当されている方へ。
その患者さんの肩痛の原因について適切な解釈はできているでしょうか?
個人的にあらゆる関節の中で、痛みの解釈がもっとも難しいのが肩関節だと感じています。
というのも、侵害受容器が豊富で痛みを感じやすい組織が多く、さらには肩関節自体の自由度が高いため、痛みの再現性を出すことも容易ではありません。

また神経の分布もかなり複雑で辻褄の合わない痛みと対峙することも少なくありません。
ここでお話する腋窩神経もまさにこの肩痛の解釈を複雑にするものの代表格です。
腋窩神経障害はスポーツ分野をみられている方であれば、オーバーヘッドスポーツで好発するため、聞き馴染みがあるかもしれません。
ただ実際にはそれだけに留まらず、肩関節周囲炎でも腱板断裂でも腋窩神経障害が合併していることは稀ではありません。
そのため、どのような肩疾患でもあろうとも腋窩神経障害の知識は必須だと言えます。
今回は基礎的な部分から深ぼっていきますので、今現在、腋窩神経障害のえの字もわからない方も読み終わった頃には大まかなイメージはついていることと思います。
少しでも臨床のヒントになっていれば幸いです!!!