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ブランデーと紅茶
毎日、仕事とも言えない仕事をしている。営業がとってきた仕事を、技術者が確認するための資料にひたすらまとめる係。
私は何も生み出しません。たまに、数字のミスを生み出すくらい。
特に感謝される仕事でもないので、効率的に、ただ淡々とこなす。なるべく定時で帰れるように。達成感を感じるタイミングは、自分の想定したスケジュールで仕事が終わる時。簡単そうだが、私が関与できない所で色々と調整が入り、翻弄されるのでなかなか上手くいかない。ここに転職して数年、振り回される事には慣れたようで、実はどっぷり消耗しています。
自分の仕事の無意味さに、嫌になることはよくある。そんな時、私は無性に家事を頑張る。以前はよく、先輩と相談しがてら飲んでいたが、今思えばあれはあまり効果がなかった。
いつもは米国の豚肉を買うところ、国産(オレンジのトレー)を選び、丁寧にご飯を作る。食器も多めに使い、味わって食べる。洗い物もいつもの何倍も、優しくゆっくり洗う。食後には好きな映画のサンドトラックを流しながら、紅茶を淹れて、本を読む。紅茶には、お気に入りのブランデーを。
仕事に意味はない。平日8時間プラスαはこの時間のためだけに存在するんだ。
男の人は嫌い。意味のない仕事を軽蔑するから。女性の生活は、男性が想像するより、ずっと豊かで幸せなんだと思う。もしかしたら、性別は関係ないのかも。ただ、私は今とても豊か、その事実は変えられない。
明日になれば、また8時間を献上する。どぶに捨てるって言いかたをする人、なんてナンセンスなんだろう。
仕事で充実してる人、夕方のキッチンで満たされる人、朝の授乳で命をつなぐ人、誰かを必要として、誰かから必要とされる人、みんな素敵だと思う。
でも、私は今、濃いめのブランデーを入り紅茶をすすっているこの時間がとても好き。この時間は素敵とか関係なく、大切なのだと思うのです。