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冬至を迎える

冬至の日にはかぼちゃを食べる。
柚子風呂にも入る。
根が真面目なので、子供の頃からのそういう伝統行事(?)は大人になってからもきちんとこなすようにしている。(節分には一人でも豆を撒く)

折角ならお昼間から、ゆったりと柚子風呂を堪能
しようと、ちょっと早めの時間帯に近所の温泉施設に向かう。
脱衣所で着換えていると、おばあちゃんとお孫さんが会話をしていた。

「おばあちゃん、今日はお家帰ったら何するの?」
「帰ったらこの後は、すき焼きの用意をするよ」
「じゃあお手伝いしてもいい?」
「いいよ、ありがとう」

いかにもお風呂上りにする会話にふさわしい、
少し間の抜けたような、他愛のない家族の会話を、何にも気取らず、ぼーっとしながら聞ける温泉っていいなぁと思った。
いつもは家族連れが多いので、土日に温泉施設に
行くことは避けていたけれど、いつもと違う風景が
見れてよかった。
すき焼き、いいね。

帰りにスーパーでかぼちゃを買う。
かぼちゃをレジに通しながらふと、
久しぶりに料理するなということに気が付いた。
これまでは、一緒に暮らしていたハムスターの
ために野菜を買い、その余った部分を適当に
料理して食べていたが、本当に一人暮らしをして
からは野菜を買うこともなく、つまり料理することもなかった。

久しぶりに自分のために料理をする食材が、
あの子の好きなかぼちゃになるなんてね。
なーんて感慨に耽りながら、コツコツかぼちゃを
料理した。

かぼちゃの含め煮、豚汁(かぼちゃを投入)、
かぼちゃのチーズ焼き。

お腹いっぱいに食べ、ぼーっとお茶を啜りながら、
あの子にお供えしたかぼちゃを眺めた。
今日は冬至だから、一年で一番日が短い日。
明日は今日より、日が長くなる。


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