深夜、放射冷却


機材車は揺れる。
深夜1時、福井chopに向かっていた。


僕はMy Hair is Badのnarimiを聴きながら車を走らせていた。メンバーは後ろで寝ていたし、とりあえず激安コーヒーとエコーを嗜む事にした。


窓全開で煙草を吸うと後ろのベッドに引火するため、少しばかり開けて吸う事にした。


田舎特有の冷たく湿った風は、ペトリコールの匂いを連れて鼻を刺激した。


エコーは全然葉が詰まっていないので、灰を落とすのに車の外に腕を伸ばすと、一瞬で半分になった。


カードコバーンの名言に「色褪せていくぐらいなら、いっそ燃え尽きた方がいい」というものがある。


機材車は相変わらず、先の見えない暗闇を進む。

僕たちは放射冷却で霧がかった、先の見えない未来を進む。

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