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あなたの言葉が誰かの心の奥に届くこと
現代は
とかく なにかと せわしない
何かを焦って 人に伝えようとしたり
必要以上に 自分を大きく見せようとしたり
むやみに 何かを 売り込んでみたり
わけもわからず 生き急いでいる人も沢山いる
でも そんなに 急いだところで
本当に 大切な 切実な メッセージは
人の心の奥深くに 伝わるのものだろうか
あなたが 心から伝えたい 美しい言葉を
想いを込めて 一言一言 誠実に伝えることを
毎日毎日 大切な誰かのために 丁寧に紡いでいった時
アメニモマケズの詩のように
無視されようが
馬鹿にされようが
誰からも褒められなくても
やがてあなたの言葉は
誰かの心深くを
動かすのではなかろうか
SNSの世界では
日々 言葉の洪水に満ちている
誰もが 誰かに 何かを伝えたくて
誰もが 誰かの 心を動かしたくて
焦ってばかり 言葉を乱反射させている
けれど どれほどの言葉が ほんとうに届いているのだろう?
人は 誰しも 焦る
少しでも 多くの人に伝えたくて
より多くの反応を得たくて
言葉を強く 速く 響かせようとする
でも
ほんとうに大切なメッセージは
そんなふうに伝わらない
本当に心のこもった言葉が
じっくりと 誠実に紡がれたとき
はじめて 誰かの心の奥深くに
湖面の波紋のように 響き渡る
あなたが伝えたいものは
誰かの心の奥にいつまでも残る
言霊だろうか
それとも
一瞬で流れ去る
言葉だろうか
もし
あなたが本当に伝えたいことがあるのなら
焦らなくていい
煽らなくていい
誇張しなくていい
ただ あなたの思いを あなたの言葉を
毎日 誠実に 丁寧に紡ぎ続けるだけでいい
「雨ニモマケズ」の詩のように
素朴で 飾らなくて 静かで
それでいて
美しくて どこまでも力強い
言葉というものは
無理に「伝えよう」とするものではなく
その人の心が「沁みわたる」ものなのかもしれない
もしかしたら あなたが今日紡ぐ言葉は
すぐには 誰にも届かないかもしれない
けれど あなたが心から信じる言霊たちを
愚かしいほどに 何度も何度も繰り返していけば
それはいつか
まるで雨が大地に染み込むように
誰かの心の奥深くへと届いていく
そして ある日突然
その言葉が 誰かの人生をそっと変えていく
言葉とは無理に伝えようとするものではなく
あなたの心の奥にある叫びをそっと差し出せば
誰かの心に静かに宿るものなのかもしれない
私はそのことを忘れそうになるといつも
宮沢賢治『雨ニモマケズ』を心で唱える
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
忘れていた
あの気持ちを
思い出す詩に
感謝
今日も
誠実に
誰かに
自分の
言葉を
大切に
紡ぎ続けたい
心からそう思う
あなたと共に
天豆 てんまめ
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