休日午前10時のアラーム
「ぺけぺけぺけぺけ、ぺけぺけぺけぺけ」
頭の上あたりで目覚ましのアラームが鳴った。手を伸ばして止める。メガネを取ろうとしたら、誰かが先に取って行った。目をこすって見てみると、メガネをした私が立ち上がって伸びをしている。私は戸惑いもせず、横たわって見た。
彼女は部屋を出て、洗面所に向かって顔を洗い、コンタクトをつけて、トイレを済ませたようだ。音がするから、わかる。台所へ行って、バナナと牛乳をすりつぶし、バナナジュースを作っているようだ。私がいつもそうしているから、わかる。バナナジュースを持って、彼女は部屋に戻ってきた。携帯を触って、メールの返信をし始めた。こればっかりは退屈で、見ているのに飽きた私は、もう一度眠った。
今度は自然に、目が覚めた。寝過ぎて頭が痛い。彼女は相変わらず机に向かっているけれど、先ほどとは、バナナジュースがなくなっていることと、パソコンを開いていることが違う。彼女は、映画を見ている。「課題は?」と私が言う。彼女は映画に夢中で気づかない。彼女を見ることにも、寝ることにも飽きた私は、立ち上がる。彼女は、「良いところだったのに」と私を見つめて、そして消えた。時刻は、アラームを止めた午前10時。
私は部屋を出て、洗面所に向かって顔を洗い、コンタクトをつけて、トイレを済ませた。台所へ行って、バナナと牛乳をすりつぶし、バナナジュースを作った。部屋に入って、携帯を弄り、バナナジュースを飲み干したところで、パソコンを開いて、映画を見た。物語も終盤に差し掛かったとき、後ろから、「課題は?」と声がした。私は急いで、課題に取りかかった。
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