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糸紡ぎ

「何で糸を紡ぐの?」 そりゃ 布が織りたいからさ!!
というのは 機織りをする人の理屈であって
何でワークショップなんかやるの? と思われるのは当然で・・・

糸作ってどうするの? そうですよね
どうしましょうかね! 何をしますか?

学童保育の体験プログラムにできないか というのが事の発端
自然の営みによってうまれたモノから いろいろなものが作られている
私たちが着ている服も 自然の営みからうまれたモノが素材だ
ということを知る
つくった糸で 穴があいた靴下を 自分で 直してみよう
自分で直したんだ という達成感から 愛着を持ってくれたら嬉しいな
自分で直せるということを知って モノを大切にする気持ちが芽生えたら
もっと嬉しいな
お金を払って買ってしまった方が よっぽど早いし 奇麗だし 楽ちん
でも 自分でも作れるんだ ということを知って欲しい
暮らしに役立つスキルをたくさん身に付ける事は
生きる力を身に付けるということでもある

生きる力を身に付ける ガンディーの非暴力不服従運動につながる
糸紡ぎは まさにそうなのだ

ガンディーが裸足に腰布だけを身に纏い チャルカを回す姿は
インド独立運動のシンボルと 歴史を学ぶ中で写真を見たことがある人も
少なくないだろう
チャルカとは糸を紡ぐ道具 糸車 のこと
下の写真はまさにガンディーが用いていたタイプのもので
ボックスチャルカ あるいは ブックチャルカ と呼ばれる

ボックスチャルカ

いろいろ突き出ている棒は 取り外したり折りたたんだりできる
中心から半分にたたむと A4サイズくらいの箱としておさまってしまう
手提げにできる取っ手がついていて まさに携帯チャルカ
A4サイズのコンパクトさから 本棚にしまえるということで
ブックチャルカ の名前もある
左端手前に出ている細い棒に紡いだ糸をためるにようになっている
この部分が糸車の原型になっている スピンドル と同様の役割を担う

ガンディーは イギリスの植民地支配下にあったインド国内で売られる
イギリス製の綿製品に対して 不買運動を展開
インド国民は 豊富にとれる綿から糸を紡ぎ 布を織り 服をつくる
自給自足を実現し 独立への大きな足掛かりになったといわれている

また 向こうがすけるほど極薄のコットンの生地 カディ をご存じだろうかインドの手紡ぎ糸で 丁寧に手織りで織られたカディ
ガンディーはカディについて 「カディはただの布ではない 思想である」
との言葉を残している カディの別名は 「自由の布」
すげぇカッコいい 単純にそう思ってしまう

それから 動的瞑想っていうんだってね
一定のリズムで 単純作業を繰り返し繰り返し 意識を集中させる
一定のリズムで行うのは難しいけど 指先と綿の繊維に意識を集中して
糸を紡ぐことだけに没頭していく
気持ちがざわついていると ちっともうまくできなくて
あ 落ち着こうって気付く
綿のふわふわな手ざわりが身体を癒してくれたりもする

歴史 思想 思い さまざまなものを撚り合わせて1本につなげる
たかが糸紡ぎ されど糸紡ぎ 単にスキルに終わらない

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