俺とおかん。03

うーん。爽やかな朝だ。
昨日の喧騒が嘘のようだ。小鳥の囀りまで聞こえてくるぜ…

Σ^)/カア~
Σ^)/アホーアホー☆ミ

おかん「あ、義徳。起きたんか。ほな続き話そうか。」

俺「もうちょっと、朝の優雅な時間を過ごさせてくれよ。これから珈琲片手にブレックファーストやがな。」

おかん「鉄は熱いうちに打てって言うやん」

おかんは、覚えたてのことわざを、とりあえず使ってみたかったようだ。
自分が言い出した事なので諦めて、10才でファーストキスをやらかしたおかんの話の続きを二日酔いの俺が聞く。
しかし昨日の事を振り返れば、昭和の小学生が平成の高校生と同じ事してるんやから、ずいぶん進んだ恋愛やと思う。

俺「俺は腹括ったで。さぁ、続きを話してくれ。」

おかん「茂くんとはな、その時のチューがいまいちやったから、すぐ別れたんよ。」

俺「初めてのチューにいまいちとかあるん?」

おかん「初めてこそ、大事やんか!だって歯が当たってんで!」

俺「あ、あぁ…。」
(茂くんの事を思うと、胸が痛むわ…。)

おかん「2人目はな、12才の時やってん。」

俺「12才(´ω`)!?どっからが彼氏かわからんとか言うて、2〜3人に厳選しといて、2人が小学生なん!?」

おかん「あんた、おかあちゃんバカにしたらアカンで。12才でも誕生日きてへんたら、中学生やねんで。」

俺「どっちでもええわ。その1年にどんな意味があるねん。」
(いや、待てよ。おかんが12才なだけで、相手は高校生かもしれん…。それはそれで、問題な気もするけど、もうここまできたら、そっちの方が清々しいわ。)

俺「おかん、あえて聞こう!その時の相手はいくつや?」

おかん「20才やで?」

(当然のように20才て言うてるやん。今の時代やったら、普通に捕まるやつやん。昔は良かったんか?俺か?俺がおかしいのか?あぁもう何も考えたくない…。)

俺「そうか。そらそうやな。すまんかった。今俺は令和が始まってから、1番ドキドキしてるけど、続きを話してくれ。」

おかん「12才の時の彼氏はな、横江俊彦君て言うねん。俊ちゃんて呼んでてん。」

(今更呼び方をどうこう言うつもりもないけど、時代を感じる名前やなぁ…)

おかん「俊ちゃんはな、眼鏡かけててん。それやのに、煙草🚬を吸うっていうギャップにやられたわけよ。」

俺「そ、そうか。ギャップにやられたんやな。」
(絶対ギャップって言いたかっただけやん。)

おかん「そやねん。真面目な感じやのに、煙草燻らせてる姿にもう、ズキューンよ!」

※ズキューンとは、おそらくこういう事である↑

俺「ズキューンはいいけど、今んとこ真面目要素が眼鏡しかないけど大丈夫?」

おかん「眼鏡かけてたら、じゅうぶん真面目やろ。」

(あぁ…俺は何て偉大な人の息子に産まれたんやろう…。悟りを拓くとはこの事か…。この人からしたら、俺なんか全然まともやわ。)


俺「それは、ただの目が悪い人やろ。」

おかん「なんて事言うんや…。お母ちゃんの青春やで。」

俺「青春と呼ぶなら、もうちょっと甘酸っぱい話を聞かせてくれよ。12才と20才で何して遊ぶんよ?」

おかん「チッチッチッ男と女に年の差なんて、大した問題じゃないのよ。愛に歳の差なんてって言うやろ?」

俺「そこに愛はあるのか(・◇・ ) ?」

おかん「愛しかないよ。毎日愛を確かめてたよ。」

俺「ハウァッ!∑(゚Д゚)た、たとえば何を…?」

おかん「やだ。恥ずかしい(//∇//)それは、ひ・み・つ。」

俺「俊ちゃーん、あんた12才に何してるんやー。」

あぁ…この場から逃げ出したい


俺「お母ちゃん、俺の動悸が治まるまで、ちょっと待ってくれ。俺は逃げへんぞ。」

俺の動悸が治らんので、次回に続く…


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