ミッシェルガンエレファントと出会った日
14年前の7/22、アベフトシはこの世を去った。
当時、中学2年生の私はアベフトシという人物を知らなかったし、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTというバンドも知らなかった。だから、このニュースは全くリアルタイムでは私の耳に入ってくることは無かった。
その少し後、中3になったばかりの私は地元のTSUTAYAでいつものようにCD漁っていた。当時、5枚1,000円くらいでCDが借りられたので、お小遣いを握りしめてTSUTAYAのCDと睨めっこをしていることが多かった。
自分の音楽遍歴として、幼少期から親の影響で洋楽や昭和歌謡をよく聞いていたのだが、さすがに中学生にもなると友人が勧めてくる当時の流行の音楽を私も聞いていた。とはいえ、なんか尖っていた私は周りが聞いていないものをディグることも多く、盛り上がりを見せていた洋楽ポップパンク界隈や、何故かヴィジュアル系なんかも積極的に聞くことが多かった。
そんな私も、そろそろ何を聞けばいいのか迷ってしまっていた頃にふと店の隅っこにあるレンタル用ではない販売用?の鉄製のCDラック群に目が留まった。そのどれもが100円~200円ほどで購入できるもので、乱雑に大量のCDがそこに置かれていた。
時間を持て余していたこともあり、私はそのCDの海の中を漁り始めた。見たことも無いようなジャケットばかりが目に飛び込んできた。知らないバンド、知らない曲名…いちいち調べているとキリがないため、気になったものだけピックアップしようと思っていた。
急に私の手が止まった。なんだこれは?と心の中で呟いてしまっている自分。手に取ったのは黒の背景に白の髑髏マークが描かれていたジャケットのCDだった。「TMGE」と書かれたそのアルバムは、どうやら見覚えのないバンド名「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」の作品らしい。というか、バンドなのかすら定かではない。
しかしその不気味さのような感覚が妙に後を引き、結局そのCDを購入した。確かその日のもともとのお目当てはAll Time LowのCDだった気がする。家に帰って、とりあえずお目当てのCDからPCに取り込み、聴き始める。そして最後に、問題の「TMGE」を聞くことになったわけだが、1曲目が流れてきた時点で度肝を抜かれた。
なんだ⁉この音は⁉
今まであまり耳にしたことないような、暴力的な音。一瞬のけぞってしまいそうになるくらいに大きいし鋭い。がなるボーカルと無骨なギターがすごく印象的だった。1曲目「G.W.D」が終わっても、そのままイヤホンを耳から外すことなく聞き入ってしまった。
その日から私の日常はミッシェルで埋め尽くされた。Youtubeで動画を漁り、CDを片っ端からレンタルし…それも、すでにミッシェルは解散、アベフトシが亡くなっていたことが逆にミッシェルへの気持ちを肥大化させていった。そして、同年代に知っている人がいなかったために、ミッシェルを独り占めしている気分にさえなった。
今でももちろん頻繁にミッシェルの曲を聴き、ライブ動画を見たりしている。自分はバンドも始めた。ここに書くと長いので特に記載はしないが、チバさんと話す機会もあった。大人になってしまったが、未だにミッシェルに惹かれ続けている。
もう二度と生で見ることはできないアベフトシ、これからも遺された音楽で存分に楽しませていただきます。いつまでも、あんたのどれいのままでいい!