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初恋モーテルというバンドのドラム。一応会社員。

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初恋モーテルというバンドのドラム。一応会社員。

最近の記事

馬鹿真面目にごちそうを

彼は馬鹿が付くほど真面目で、誠実な人間だ。 間柄としては、まだ幼稚園やら保育園やらに通うよりも前からの付き合い、いわゆる幼馴染というやつで、僕の周りには20歳になった今でも関わりがあるのは彼ぐらいしかいない。 物心ついたくらい、小学生低学年の頃には既に今の彼の人格のようなものは出来上がっていたように思える。遠足に行くと、クラス委員でもないのに持参禁止のお菓子を持ってきていないか全員分チェックし始めるような奴。「バカ」とか「ブス」とか言うような相手を見つけたら、担任の先生どこ

    • 水無月

      「雨ってさ」 「はい」 「雨が降ってるときに、それを表す擬音って幾つかあるでしょう。私は、しとしと降る雨、が好きなんだ」 「しとしと、ですか」 「君は?」 「…ざあざあ、ですかね」 「へぇ、やっぱり面白いね。」 **** 私はひどく怠惰に憧れた人間だった。 幼いころから厳しい家庭で育った私は、何一つ不自由のない適度に裕福な家庭で、何一つ自由のない生活を過ごしてきた。決められた習い事、成果を求められる勉強、規制される交友関係。予め親が敷いたレールの上にあるトロッ

      • 備忘録15「期待すること、しないこと」

        ・時候の挨拶のように言わせてもらうが、マジで暑すぎる。本当に気が滅入るほど暑い。だから夏は嫌い。冬のほうがまだマシ。 夏が嫌いだから、夏が好きな陽キャもまとめて嫌い。熱中症になってぶっ倒れても知らんぞ、と思いつつ陽キャが熱中症になってるところ見たことないや…とふと思い返した。 ・先日誕生日を迎え、n歳になりました。別に非公開ではないですけど、なんかここを明かにするのだるかったんで。この前ブッキングしたバンドマンに年齢を伝えたら、+5歳くらいに勘違いされてた。そんな老けてる?

        • 備忘録14「バイタリティ溢れる」

          ・宇多田ヒカルのライブチケット、俺は応募してないけど周りが悉く落選しているのを見て、すげ~と思う。未だにここまで注目度が高いってバケモンだな。一番好きな曲は「真夏の通り雨」です。 ・同僚が他県にライブを観に遠征している話を聞く。思い返せば、自分はなかなか関東以外にライブを観るために足を運んだことが無い。そのバイタリティに感服。ちなみに、遠征もしないくせにそのアーティストのこと好きとか抜かすなというご意見は受け付けておりません。 ・自分がライブハウスでブッキングイベントを組

        馬鹿真面目にごちそうを

          好き?嫌い?

          -え?今、なんて? -何度も言わせないでくれよ、俺と付き合ってほしいって言ったんだ。 -それ本気で言ってる?急にどうしたの? -本気じゃなかったら、わざわざ喫茶店に呼び出したりしないだろ。 -それにしても喫茶店って…、確かに家が隣なのにお金かけてまでお店に入る必要もないけど。 -で?付き合ってくれる? -いや、まだ頭の中整理できてない。幼馴染で十数年一緒にいたけど、全然そんな素振り今までなかったのに、急にどうしたのよ。 -気づいたんだよ。 -へ?何に? -俺

          好き?嫌い?

          たったひとりの

          科学の進歩ってやつは、僕らを豊かにしてくれる。 ただ、時には残酷な選択肢を与えることだってある。 *** 『―――、というわけで、世界で急速に普及し始めている”部分的記憶の削除”についてですが、日本でも今回のケースのように希望者は増え続けており…』 出社前、焦げかけたトーストにジャムを塗りながら朝のニュースを流し見している。専ら最近この手のニュースが増えた。ネットニュースでも、見出しは軒並みこの記憶の削除とかいうやつだ。 私もざっくりしか知らないが、科学的技術の進歩で

          たったひとりの

          一目惚れ

          「全部塩で、お願いします」 軽くパーマのかかった黒髪、少し味付け薄目の端正な顔立ち、気取らない服装、低すぎないけどちょっと低い、ニクい声。 完全に一目惚れだった。 --・・- ・・-・・ -・・・- -・・ ・・ ---  大学に入って、何となく入ろうかなと思っていたバンドサークルの新入生歓迎会にいる私。一年生の女子というだけで、いろんな先輩が話しかけてくるが、みんな「いい人そうだな」とか「話合わせないと」とかそんなことしか考えていなかった。 ひとしきり落ち着いて、隣

          アイドルの好きな曲について語りたい

          皆さんは、アイドルが好きですか? アイドルと言っても、このご時世多彩なジャンルがあるかと思いますが、ここでは女性アイドル、主にグループで活動しているものを指します。予めご了承ください。 私は現在、ライブハウスに勤務しております。ライブハウスで行われる公演は多岐にわたり、時にはヴィジュアル系バンド、時にはレゲエ、時にはVtuberなど…。働いている中で、そんな多種多様な公演を見てきました。 そんな中でも、定期的に入っている公演は女性アイドルグループのもの。中には朝から夜まで

          アイドルの好きな曲について語りたい

          映画「水平線」 鑑賞後の感想

          昔からわかってはいたものの、映画館によくある”サービスデー"という割引を最近よく活用させてもらっている。 どこもそうなわけではないのかもしれないが、毎週水曜日は大幅に鑑賞料金が割引されるというものである。今では大体2,000円くらいが当たり前となっている映画鑑賞の一般料金、やはり高すぎる。そのため、このサービスデーを使わない手は無い。 月に1~2回の頻度で映画を見に行っているが、noteにも記した「福田村事件」のように、映画を見終わった後になるべく感想を残しておこうと思っ

          映画「水平線」 鑑賞後の感想

          蛍の光

          私が子供の頃、蛍が見ることができる場所というのはかなり限られていた。 蛍と言えば、私の記憶では「水が澄んでいる小川や池などがある場所の近くで見られる」という認識だった。 私の出身地はそこまで都心から離れてはいないものの、自然が多く若干の田舎っぽさが残る街だった。普通に家の近くに畑や林が点在していた。なんなら自動精米所もあった(これは田舎の象徴だと思ってしまっている自分がいる)。 そんな街には●●谷戸という場所があり、夏にはそこで蛍が見られるという話を子供の頃に伝え聞いてい

          備忘録13 「今更、推しの子」

          ・昔追っかけていたバンドのフロントマンが良くも悪くもネットを賑わしている。変わってなくてなんか安心した。 ・さよならポエジーの旧譜サブスク解禁祭り、非常に良い。「応答するまで」という曲が非常に好きです。 ・チピチピチャパチャパうるせえんだよ!!!!!!!!!! ・数日前に、ひょんなことからめちゃくちゃ有名なバンドの方とお話しする機会があった。全然音楽関係ない場所で会ったんだけど、明らかにオーラが違くて普通にすげえと思ったわけだが、オーラってなんだ?自分でもようわからん。

          備忘録13 「今更、推しの子」

          Mix tape vol.1

          おはこんばんちわ。 そろそろ暖かくなってくれと思いながら、未だに朝起きるのが億劫な井田です。いつになったら冬終わるんですか? さて、前回ご紹介したBrotherhood vol.35は大雪の中無事開催いたしました。あんな中でご来場してくれたお客様、そして出演してくれたアーティストの皆様本当にありがとうございました。 少しでも売り上げに貢献しよう、とお酒を飲んでくれたバンドマン達に涙が止まらなかった…素晴らしい日に素晴らしい音楽をありがとう。 ということで、次のブッキング

          Brotherhood vol.35

          つい先ほど備忘録を書き上げた後に、「そういえば先にコレを書かなきゃ」と思い出し、急いで連続執筆に励む井田です。 さて、来たる2/5(月)にSPACE ODDにてBrotherhood vol.35が開催されます。今年からの自分としてのチャレンジでもある、公演に出るアーティストの紹介記事をここから始めようと思いまっせ。 前回のBrotherhood vol.34の記事も、出演者やお客さんで読んでくれた人がいたみたいで凄くうれしい。夜の最前線のオオカワからはビール奢れと催促さ

          Brotherhood vol.35

          備忘録12 「凝り固まったステレオタイプ」

          ・年が明けてもう1月が終わろうとしている。この時間が経つ速さ、なんなんすか(シンクロニシティ西野)。 ・あいも変わらずな日常を送っているけど、流れてくるニュースは毎度の如くマイナスなものばかり。すべてに感情移入してては疲弊してしまう…。 ・喫煙について。私は大学生の途中から煙草を吸うようになった。サークルの先輩の影響であり、ミッシェルガンエレファントの影響であった。幼いころは、親がヘビースモーカーだったこともあり煙草の匂いは日常的であったがどちらかというと嫌いだった。そん

          備忘録12 「凝り固まったステレオタイプ」

          小さな影

          君との出会いは偶然に、幼い僕は素直になれず、 愛しいと感じていても、照れ隠しで遠ざけて、 無邪気なその顔と声は、日常と混ざって溶ける、 眩しい日差しより強く、けれどか弱い少女のようで、 不器用な接し方でさえ、後ろを着いてくる小さな影、 終わらぬようにと、考えもしていなかった、 さよならと言えないのは、君がまだここにいて、 帰るのを待つ当たり前に、僕が溺れているから、 おかえりが聞こえないのは、君がもういないことで、 孤独をポツリと落とす、僕の背中に忍び込む、 所詮わけ

          初恋モーテルというバンド

          皆さんは”初恋モーテル”というバンドを知っていますか? 全く知らない、名前だけ聞いたことがある、サブスクで聴いている、ライブに行ったことがある… 様々いらっしゃると思います。まあ、全く知らない方が大半だとは思いますが。 こちら、私がドラマーとして所属しているバンドでございます。 2018年から始動し、今年で6年目を迎えようとしております。え?マジか。 紆余紆余曲折曲折、紆余曲折くらいありましたが、今も元気に活動しております。 とはいえ、やっぱりまだまだ認知されていない。

          初恋モーテルというバンド