テニバカ的女子テニスプレイヤー考察(第4回べリンダ・ベンチッチ)
またまた時間が空いてしまったわけですが、第4回となる今回取り上げるプレイヤーはべリンダ・ベンチッチになります。
第1回の大坂なおみ、第3回のダリア・カサキナときたらやはり97年組を優先的に取り上げないことには、現在そして直近の未来を予想するにはここを押さえなくてはいけないからである。
さて前置きはこのへんにしてベンチッチというプレイヤーの考察に入っていくわけですが、ベンチッチといえばマルチナ・ヒンギスの流れを汲むプレイヤーで、ヒンギスファンを取り込んでいて、その点において注目度の高いプレイヤーである。
ヒンギスの流れを汲むとは何ぞやといえば、なんてことはなく、ヒンギスの母親に見いだされたプレイヤーであるわけで、更にヒンギス同様ライジングを得意とするプレースタイルということもある。
ライジングを得意とするということは、それだけラリーで主導権を握れるわけで、そこまで時間を要することなく結果が出ることとなり、その最たる最上の結果が10代でトップ10を達成したことだろう。これは97年組で唯一であり、カサキナもオスタペンコも、そして大坂なおみでさえ成し遂げることが出来なかったことである。(オスタペンコも大坂なおみも20歳でグランドスラムを優勝してしまったので、この事実はそこまで大きな意味もなくなってしまったわけだが)
ベンチッチはトップ10を達成したはいいが、トップ10をキープできず、トップ100も陥落してしまった後、どうにかトップ100復帰からのトップ50に復帰して今に至るといったところか。
しかしここから、トップ30に復帰するにはいいにしても、そこからトップ20、トップ10と難易度がとてつもなく高く、ましてやグランドスラムを優勝するまで狙うには少し現実離れに感じるところがある。
なぜベンチッチのグランドスラム優勝が現実的ではないかといえば、ベンチッチの強みがライジングしかなく、それ以外がグランドスラムを優勝するには厳しいところがあるからだ。
その厳しいと思うところとしては、やはり堪えきれないメンタルが挙げられるだろう。ベンチッチの場合、メンタルが厳しくなるサインが相手にあからさまにわかるのも問題で、それはラケットを投げてしまうとこである。
単にラケットを投げる行為が問題というわけでなく、ベンチッチがラケットを投げるということは、そこまで頑張っていた集中力を切らしてしまうことだ。決してリフレッシュの為のラケット投げではない。ベンチッチは忍耐強くなれば、ラケットを投げることなく最後まで諦めることなく集中できる能力をもっている。それはヒンギスがベンチッチの試合を見ているときに出来ていた事実があることを鑑みても。
つまりベンチッチのキャリアが上向くにはヒンギスがどうしても必要なわけだが、現在ヒンギスは妊娠しており、今後のヒンギスの動きが全く読めない。わかっているのはベンチッチのコーチになるにしてもそう早くには実現はしないだろう。とはいえヒンギスの気まぐれな行動は読めないだけに出産して、どれくらいで次に動きだすのかも読めないので、急転直下でベンチッチのコーチになる可能性も捨てきれないからだ。
ここからは、もしヒンギスがベンチッチのコーチになった際、ベンチッチのキャリアがどのように上向くのかテニバカ的シミュレーションをしてみたいと思う。
ヒンギスがベンチッチのコーチになった際、一番効果が現れるのはメンタル面にある。単刀直入にいえばラケットを投げることがなくなるかもしくは極端に少なることは間違いないと見ている。ヒンギスがこの点においてベンチッチに釘をさすと見ているからだ。
次に技術面、戦術面においてもベンチッチを進化させることになると見ている。ベンチッチはライジングが得意といっても、それはフォアハンドのダウンザラインを得意としており、バックハンドはフォアハンドほどダウンザラインの展開があるわけでない。ベンチッチのバックに多少浅い球になってもそこまで致命傷にはならない。そこをフォアハンドと同様ライジングのバックハンドダウンザラインで主導権を握られるようになれば、相手はいよいよセンターセオリーの確率が高くなる。これも甘くなればフォア、バックでの逆クロスが出来るようになれば、いよいよラリーでの支配率がとんでもないことになる。ヒンギスがヒッティングパートナ-も兼務することになれば、ネットプレイの技術向上も望める。
サーブに関しては、カサキナで書きたかったことにもつながるが、セカンドサーブの強化で充分だと思う。それくらいラリーでのポイント獲得率は高くなると思うからだ。
最後にベンチッチのグランドスラム優勝はヒンギスが必要で、現状ではグランドスラム優勝どころか、トップ10復帰がかなりかなり厳しいと見ている。もしヒンギスを必要とせずトップ10に復帰できるようになるようなことがあれば、ヒンギスをコーチに迎えた時、グランドスラムの優勝がかなり高まることとなるだろう。具体的な数字は避けるが、低くない確率だということだけは申し上げたところで終わりとします。
第5回は97年組でまだ取り上げていない、エレナ・オスタペンコとなります。
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