テニバカ的女子テニスプレイヤー考察(第5回エレナ・オスタペンコ)


 第5回となる今回紹介するエレナ・オスタペンコで、ようやく97年組の4人を全て紹介することとなります。まだ97年組にはアナ・コニュというプレイヤーもいますが、再び復活してキャリアハイを更新しないことには、このテニバカ考察で取り上げることはないということもここで宣言しておこうかと思います。


 オスタペンコが20歳にしてグランドスラムを優勝してしまっているので隠れた事実があることをまずお伝えしようと思うのですが、それは97年組と言われる、ベンチッチ、カサキナ、オスタペンコ、大坂なおみ4人がトップ10を達成し、セレナ1強となってから久々に当たり世代といえることだ。


 だからこそ97年組を優先的に紹介しているわけだが、今回はエレナ・オスタペンコを紹介し、これで4人紹介することになる。紹介順も意味があり、それは今後のキャリアで期待値が高い順番で紹介している。なぜオスタペンコは既にグランドスラムを優勝しているのにこの4人の中で一番期待値が低いのかの考察が中心となっていきます。(スビトリナの期待値は敢えて97年組に混ぜるなら大坂なおみ以下でカサキナ以上ということになります)


 さていつものように前置きが長くなってしまったので、本題のオスタペンコの考察にいきたいと思います。

 まずグランドスラムを優勝しているのになぜ97年組の中で一番期待値が低いという疑問にお答えしたいのですが、それはオスタペンコのプレースタイルによるものだということを説明したいと思います。


 そしてオスタペンコのプレースタイルの説明に行くわけですが、一言でいえば攻撃特化、寧ろ超攻撃特化といっていいスタイルである。つまり守備的要素が全くもってないということである。


 守備的要素といえばどういうことかと言えば、単純にベースラインから下がって粘り強くミスをしないことを重視したストロークで耐えるということである。オスタペンコは基本的にこのような戦術をとらないと言うか、オスタペンコの辞書にはそのような戦術がない。


 ここからはテニバカの勝手な想像が入るが、オスタペンコはテニスを始めた頃、持ち前の攻撃性を伸ばして、短所についてはややおざなりというか、あまり気にせずやってきた結果こうなっているのかなと思うところがある。


 しかしこのスタイルでグランドスラムを優勝したものだから、益々このスタイルでテニスキャリアを送りそうな気がする。つまり現在のスタイルのまま引退までプレーする可能性が低くないどころか濃厚なのではと見ている。少なくともオスタペンコ自身が変わる意識はないと思われるので、守備的要素を身に着けさせるコーチがこないことにはその可能性は訪れることはないだろう。


 ここからはその守備的な戦術をしないことによるデメリットを具体的に考察していきたいと思う。以前のnoteで申し上げたように守備的戦術を持ち合わせないことには安定してトップ10をキープし続けることなど不可能ということを、もう少し具体的に説明してみようと思う。


 テニスの試合において自らウィナーを取りにいかなくてはいけないポイントがあるのと同様に、このポイントでは自らがミスをしてはいけないポイントも存在する。 

 それはどのようなポイントになるのかと言うと、相手のサービスゲームでブレイクポイントを握っている状況、それとこのポイントをとればセットがとれるセットポイント、そしてこのポイントをとれば勝利が確定するマッチポイントの3場面が基本的に自らミスをしないことがセオリーになる。相手としては絶対にミスができない状況であるのは間違いないわけで、自らミスをして相手を助けてはいけない。


 このような場面で自らミスをして、そこから相手に流れが移っての負けになれば当然これは敗因になり得るし、これはテニスに限らず勝負事ならよくある事でもある。オスタペンコも御多分に漏れずこのような敗戦をいくつもしている。しかし調子にのれば一気に勝ち上がり大きくポイントを加算しているのもまた事実ではあるのだが…。


 最後にオスタペンコの今後のキャリア予想を纏めるとすれば、年数回の爆発で纏まったポイントを得られるわけで、どこまでも落ちることはないだろう。ただこの爆発がグランドスラムなのかインターナショナルなのか、プレミアなのかの違いで獲得できるポイントの差が大きくなるのは間違いない。つまりグランドスラムくらいしか見ない人とWTAツアーもきっちり見る人でオスタペンコの評価が変わってくるのは当然ということである。


 さて次回予告になるわけですが、正直期待値順ではないですが、サインを貰った手前、ダメ出しのオンパレードではありますが、クリスティーナ・ムラデノビッチを考察していこうと思います。



#女子テニス #オスタペンコ

いいなと思ったら応援しよう!