テニバカ的女子テニスプレイヤー考察(第3回ダリア・カサキナ)


 またまた時間が空いてしまっているわけですが、第3回となる今回は、2018年躍進したプレイヤーがいすぎて、自身も躍進したにも関わらず、主役とはなりきれなかったダリア・カサキナになります。


 2018年なかなかトップ20の壁を越えられなかったカサキナは、2018年の2月にあっさりと超えると、3月にはトップ10に迫る勢いの活躍。そして、シーズン終了には待望の自国のプレミアトーナメントを優勝で飾り、去年の無念をはらした形となった。そして後述するエリートトロフィーでは残念ではあったが、トップ10で2018年を締めくくることとなった。


 更にグランドスラムでも第2回のエリーナ・スビトリナとは違い、全仏、ウィンブルドンと連続ベスト8を達成。しかもウィンブルドンでは優勝したケルバーに素晴らしいパフォーマンスを発揮してと賞レースの候補にすら挙がらなかったわけだが、確かな成長を示した。具体的にここが伸びたとは言いにくく、本当に全体的なベースのレベルアップが2018年のカサキナの何が良くなったのかというのが個人的な考察になる。


 ではこのまま2019年はトップ5、更にグランドスラムでもベスト4以上と期待が高まるわけだが、そうは簡単にはいかないだろう。


 その簡単にはいかない理由であり根拠となる考察をしていきたいわけですが、それはシーズン最終戦のエリートトロフィーのマディソン・キーズ戦で露わとなってしまった。


 問題となったキーズ戦ですが、その課題とは、調子のいいパワーヒッターに対して現状なすすべがないということである。カサキナは何でも出来る技巧派というプレイヤーであるが、それでも軸となるショットがあり、それはラファエル・ナダルばりにスピンをかけたフォアハンドにある。これがパワー負けしてしまうと、コートのサービスライン辺りに集まってしまい、相手にむざむざチャンスボールを与えてしまう。調子のいいパワーヒッターでもスライスの処理が苦手だったりすれば、どうとでもないわけだが、これが純粋なパワー勝負に持ち込まれてしまうと大変に厳しい。170センチという身長からくるパワーの限界はいくら年内ウェイトを増量してパワー増強をしてはみたが、なかなかベストなバランスをとるには難しすぎるわけで、180センチ以上のパワーヒッターのパワーと真っ向勝負するのは不可能と断言はしたくないが、それに近いのは間違いないところだろう。


 さてそんなカサキナがこれからの躍進となると、ターゲットは全仏となるだろう。ハレプが優勝したことによりカサキナの全仏制覇も多少現実的なものとなったのではないか。


 そのために個人的にカサキナの全仏制覇の為にはゆるぎない断固たる決意というべき強固なメンタルを全仏で発揮させる必要がある。理想を言えばエナンを全仏限定でもパートタイムで帯同してもらうべきだと思っていたわけだが、実際ヤストレムスカの相談役なのでそれは不可能となってしまった。


 となれば現ロシア女子フェド杯代表キャプテンであり、2004年全仏女子優勝者であるミスキナに全仏でタッグを組む必要があると個人的には思うことである。ミスキナの経験は言うまでもなく、ローランギャロスこそ効果は発揮されるわけで、カサキナに一点の迷いすら抱かせることなく、強いメンタルを作り勢いを生み出す可能性があるのではと睨んでいるからだ。しかし、カサキナ陣営、ましてカサキナがこれを思いつき実行に移す可能性は限りなく低いのではないかと思っているのもまた事実である。こういったことはいくら思っていたからとはいえ結局はタイミングという運に尽きるからであるからだ。


 最後に、これからのカサキナのキャリアに乾杯というわけにはいかなくなったわけだが、決してカサキナのこれからのキャリアに悲観しているわけでなく、ハレプ同様時間がかかるのではと思っている。まずはトップ5に全仏ベスト4というのが2019年のカサキナの次なるターゲットとなるだろう。


 第4回に取り上げる女子テニスプレイヤーはべリンダ・ベンチッチとなります。


#女子テニス #カサキナ  






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