テニバカ的女子テニスプレイヤー考察(第11回ココ・ガウフ)


 ようやく11回目を書きだすことになった久しぶりの女子テニスプレイヤー考察。今回とりあげるのは15歳にして早くも女子テニスの未来を担い手となったココ・ガウフである。


 10代でスタープレイヤーとなった女子テニスプレイヤーといえば、80年代、90年代には当たり前のようにいたが、2000年代に入りパワーテニス時代となってからは10代の筋力ではなかなか思うように活躍が出来ず、20代にならないと活躍が厳しい女子テニス界において久々に現れたプレイヤーである。


 そんなココ・ガウフであるが、10代にしてこのパワーテニス時代が続く女子テニス界に割り込んでくるわけだから、パワー以外の要素は高いレベルで既に揃っている状態である。この時点で恐ろしく完成度が高い。以前に紹介したアニシモワよりも若いにも関わらず、アニシモワに似た感じになっている。

 ただここのところのガウフは守備的になりつつあるのが一抹の不安を覚えるところである。具体的にいえばスティーブンスに近いプレイスタイルになっており、即ちセンターセオリーが多く、ミス待ちなところがあり、積極的な攻めが見られなくなりつつある。これがとりあえずパワー不足の弱点を補うための取りあえずの応急処置であれば問題ないのだが、このままのプレースタイルでやっていくとなると、一抹の不安があることを現時点で言及しておきたい。


 スティーブンスは全米優勝、全仏準優勝したプレイヤーではあるが、守備的なスタイルはそれだけ試合時間が増加傾向してしまい、フィジカルの負担がそれだけでかいし、何より主導権を相手にむざむざ渡してしまう。メンタルの疲労もそれだけ馬鹿にならない。

 テニスの歴史を鑑みてもオールラウンドプレイヤーを含めた攻撃的なプレイヤーが歴史を作っている歴然とした事実があるわけで、唯一ケルバーであっても一見守備的でありながら、強力無比なカウンターを備えていており、攻撃的な要素はしっかりなければ自らの能力に蓋をしてしまう危険性がある。


 ガウフは来年肉体的に大きくなったとき、プレースタイルも攻撃的なオールラウンドプレイヤーへと戻すべきというか戻さなければ、ガウフの未来は全て白紙に戻ってしまうくらい大きな大きな分岐点にいるものだと。来年のシーズンインそして全豪のガウフのプレースタイルのチェックに注目していきたい。


 さて次回の女子テニスプレイヤー考察は2019年最も活躍したアシュリー・バーティーをようやくとりあげようと思います。とりあげるタイミングとしては遅いのはわかっており、軽くネタバレになりますが、彼女は以前紹介したアンドレースクと似通ったところがあり長所も短所もなぞる形になると思います。


#女子テニス #ガウフ

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