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上から目線の構造 榎本博明

毎日本を読む9/27
上から目線の構造
榎本博明

人の脳は他者を攻撃して制圧したがっている。
Noを言わずにNoを伝える「イケズ」なアプローチでふんわりかわす。
ここ2日の学びを逆側から見ると、他者への「上から目線」について知りたいと思った。

なぜこの本を???

本書はイマドキの「中高年」と「若者」のあるあるを分析している。
優劣に敏感な若者の構造や、それに対する中高年の戸惑い、
高圧的に振る舞う年配者や先輩の意識など、考えさせられる「あるある」が満載です。

根拠のない自信の正体は何か?


甘やかされて育った人は、そうでない人よりも自己万能感が高いだろう。
その分、成人して社会に出てから、実際の自分の実力というのは、他者からの評価によって決まってしまう。
このギャップに怯えながら、「今の自分は本当の自分じゃない」と言いつつ「がんばらない」事で自分を保ち続けている。
根拠のない自信は、「誇大自己」による虚勢そのものであり、
故に、注意やアドバイスを誇大である事から覚まされる危機感として「上から目線」と感じてしまうらしい。

集団のウチとソト

「あー、わかるわかる」と言いまくる本書で特に印象に残ったのは
文化人類学者の中根千枝さんについて触れたところだ。
「ウチの者」と「ソトの者」という概念で、
ウチの者には徹底的に甘いが、ソトの者にはとても冷淡であるという。
「ウチの者以外は人間にあらず」というのはとても感じるものがあり、中野信子さんの著作にもあった、所属集団以外に攻撃的になるという、脳科学的な意見とも一致している。

また、「日本特有のマゾヒズム的な自己愛の満たし方と、アメリカから流入してきた自己主張的な自己愛の満たし方が、錯綜している」(182p)というのも、納得感がすごい。

やっぱりそこかの「メタ認知」


読み進めていくと、若者とか中高年とかは形骸的でステレオタイプな捉え方であって、
結局はどちらの立場も「メタ認知力が弱い」ということだと思った。
特に自分をあるがままに客観的に捉えることが、なかなかできないのだなと。
自己愛と自己防御の歪みが根本にあると思われます。

孤独を噛み締めて自己と向き合い、本物の強い自分軸を持つ事で
他者への尊敬も生まれる。
岡本太郎さんの本につながってくる。
明日は岡本太郎読もう・・・。




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