![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156508880/rectangle_large_type_2_17b5748e25fd01b562c3085675ba04aa.jpeg?width=1200)
オプティミストはなぜ成功するか マーティン・セリグマン
毎日本を読む10/2
オプティミストはなぜ成功するか
マーティン・セリグマン
考えたって仕方ない。
運のいい人の法則 リチャード•ワイズマンの要因分析で、
運を味方に付けたなら、あとは楽観的に過ごしていた方がいいだろう。
運のいいひとになって、楽観的に暮らせたら
人生他に何が必要というのだろう?
ポジティブ心理学の創始者で「学習性無力感」の研究でも知られている著者。これは、人がコントロールできない困難に繰り返し直面した場合、努力しても無駄だという感覚を学び、その結果、希望や行動力を失うというものです。
著者は、楽観主義(オプティミズム)が成功に導く理由をいくつかの心理的なメカニズムによって説明しています。
失敗や困難への捉え方の違い
楽観主義者は、失敗や困難を一時的で限定的なものと捉える傾向があります。彼らは困難な状況を「一時的な問題」であり、「解決可能」と見なします。
これに対して悲観主義者は、失敗を「長期的で個人の特質に関わる問題」と捉えがちです。
楽観主義者は、このポジティブな解釈により、失敗を乗り越えようとするエネルギーや行動力を維持しやすく、挑戦を続けることができます。
レジリエンス(精神的回復力)
楽観主義者は、失敗や逆境からの回復力が高いとされています。
セリグマンは、人がポジティブな未来に対して信念を持つことで、失敗に対してもより早く立ち直り、新たな挑戦に向けたエネルギーを保ちやすいとしています。
この回復力が高いことにより、楽観主義者は成功するまで努力を続けることができるのです。
自己効力感の向上
楽観主義者は、自分が成功する可能性を強く信じています。
この信念が「自己効力感」と呼ばれ、成功に向かって行動を起こす動機づけを高めます。
ポジティブな自己評価が強化されるため、自分が達成できると信じていることに対して積極的に行動し続けます。
人間関係の強化
楽観的な人は、他者との関係を築く際にも前向きな影響を与えます。
彼らのポジティブな態度は周囲に良い印象を与え、支持や協力を得やすくなります。
このような社会的なつながりが、成功のためのサポートを強化し、困難な時にも助けになるため、結果的に成功につながりやすくなります。
運のいいひとの要因にもつながりますね。
健康への影響
楽観主義は、身体的および精神的な健康にもポジティブな影響を及ぼすとされています。
セリグマンの研究では、楽観主義者がストレスをうまく管理し、長期的な健康問題に悩まされることが少ないことが示されています。
健康であることは、成功への持続的な努力を可能にし、さらなる成果をもたらします。
学習性無力感との対比
セリグマンは、「学習性無力感」という概念を提唱し、悲観主義者がコントロールできない状況に直面すると、無力感を感じ、行動しなくなることを説明しました。
一方、楽観主義者は、自分が問題に対処できると信じ続けるため、行動し続ける傾向があります。
この行動の違いが、結果として成功を生む大きな要因になります。
以上のことから楽観主義者は、失敗や障害を克服するための持続力と回復力を持ち、前向きな思考を持ち続けることで成功に向かって進みやすいと、セリグマンは説明しています。
悲観的な人のための処方箋
「ABCDEモデル」は、悲観的な思考パターンを克服し、楽観主義を身につけるための方法。
このモデルは、否定的な出来事に対する反応を変えることで、より建設的で前向きな行動を促すためのフレームワークとして使用されます。
A:Adversity(逆境、困難)
最初のステップは、直面している困難や否定的な出来事を特定することです。これは、日常生活の中で起こる問題や、思わぬ障害、失敗といったあらゆる逆境に該当します。
例:仕事で大きなミスをしてしまった。
B:Belief(信念)
次に、その困難に対して自分が抱いている信念や思考を確認します。ここでは、逆境に対して瞬時にどのように解釈しているのか、どんな信念を持っているのかを認識することが重要です。
例:「自分は無能だ」「このミスのせいで今後も評価が下がり続けるだろう」
C:Consequence(結果)
その信念が引き起こす感情や行動の結果について考えます。否定的な信念はしばしば自己評価を下げたり、消極的な行動につながったりします。この段階では、自分の思考パターンがどのような結果を生んでいるかを把握します。
例:自信を失い、仕事に対して消極的になり、さらなるミスやパフォーマンスの低下が生じる。
D:Disputation(反論)
ここで、信念に対して論理的な反論を行います。実際にその信念がどれほど根拠のあるものなのかを問い直し、もっと合理的でポジティブな解釈を導きます。信念に対して「本当にそうだろうか?」と自問し、別の視点を見つけます。
例:ミスをしたからといって無能というわけではない。ミスは誰にでも起こりうることで、改善できるチャンスだ。
E:Energization(活力の回復)
反論によって、気分や行動がどのように変わるかを確認します。ポジティブな信念や解釈に基づく新たな行動が、前向きな感情やエネルギーを生み出すことを実感します。最終的に、このプロセスを通じて自信を取り戻し、次の行動に移る力を得ることができます。
例:ミスを改善するための具体的なステップを取ることで、再び自信が生まれ、積極的に仕事に取り組めるようになる。
「ABCDEモデル」は、日常の困難に対してネガティブな信念に支配されず、自分の思考や行動を再構築するための実践的な方法です。
このプロセスを繰り返し行うことで、悲観的な考え方を楽観的なものに変え、結果的により充実した人生や成功に向けた行動ができるようになる。
しかしながら・・・
楽観的にふるまうことは、個人にとって多くのメリットがありますが、その影響が周囲にどのように受け取られるかは状況や人間関係によって異なります。
楽観的な振る舞いに対する周囲の反応として起こりうる問題点と対処について考察します。
「現実感がない」と思われるリスク
楽観主義が極端に見える場合、周囲の人から「現実を直視していない」「楽観的すぎる」と思われることがあります。特に深刻な状況やリスクのある場面で、過度に楽観的な態度をとると、他者からは問題を軽視していると見なされることもあります。
解決策:
楽観的な視点を持ちつつも、現実的なリスクや困難を無視しないことが重要。
「前向きに解決策を探す」という姿勢を示しつつ、他者の懸念や問題をしっかりと認識していることを伝えることで、信頼を得る。
他者のネガティブな感情とのギャップ
周囲の人がネガティブな感情に陥っている場合、楽観的にふるまうことで「理解されていない」「共感されていない」と感じさせることがあります。特に、感情的に繊細な状況やストレスの多い環境では、楽観主義が不適切だと見なされることもあります。
解決策:
他者が抱えている感情にまず共感し、その上で楽観的な見方を提案する。
単に「大丈夫だよ」「なんとかなるよ」と言うのではなく、相手の気持ちを理解しつつ、「私たちならこれを乗り越えられると思う」といった建設的なアプローチを取る。
責任感がないと感じさせる可能性
職場やチームの状況では、楽観的な姿勢が「責任感がない」「問題を深刻に受け止めていない」と見なされることがあります。
周囲が重大な問題に対して懸念を抱いているときに、楽観的すぎる対応をすると、問題を十分に理解していないように映ることがあります。
解決策:
楽観的な態度を示す際に、「解決策を探している」「次にどう行動するかを考えている」ということを強調する。
自分の楽観主義が行動につながっていることを示すことで、責任感があることをアピール。
競争心や嫉妬を引き起こす可能性
楽観的な人が順調に物事を進めていると、周囲の人が「自分よりうまくいっている」と感じ、嫉妬や競争心を抱くことがあります。
特に自分が困難に直面しているとき、楽観的な人を見て焦燥感や劣等感を感じる場合があります。
解決策:
自分の成功やポジティブな面だけを強調するのではなく、自分も過去に困難を経験してきたことや、他者の助けを得ていることを共有することで、周囲の人が共感しやすくなります。
周囲の成功を祝福し、協力的な態度を示すことも大切。
楽観主義が集団の判断を誤らせるリスク
集団で意思決定を行う際に、楽観的すぎるリーダーやメンバーがいると、リスクを軽視しすぎて誤った決定を下すことがあります。
楽観的な見方が強くなると、現実的なリスクや不安要素が無視される可能性があります。
解決策:
楽観的な意見を述べつつ、周囲にリスクを評価する場を設けることが重要です。楽観主義と批判的思考をバランスよく組み合わせ、チーム全体でリスクを共有し、現実的な計画を立てることが成功への道。
楽観主義は成功への強力な要素となりますが、
周囲の状況や感情を理解し、バランスを取ってふるまうことが必要です。
他者に対して共感や理解を示しつつ、自分のポジティブな態度が実際に行動や解決策に繋がるものであることを示すことで、楽観主義のメリットを最大限に活かすことができます。
また生成AIを活用して、失敗の要因分析やリフレーミングをしたりするのも有効です。
実際に「ABCDE」モデルを用いて対話型で解決することも可能です。
対話例:喧嘩で絶縁
しかも音声対話がかなりスムーズにできるようになっています。
簡単なカウンセリングなら事足りるかもしれません。
根っからのオプティミストになっていけたら、そもそもこのような問題ごとにならないようになっていくのでしょうけど、
そこまでできた人間になれるか、正直自信がありません。
いいなと思ったら応援しよう!
![毎日本を読む(ブックカフェの日常)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155151684/profile_57de2beb352445c50a1ca25496ed94e5.jpg?width=600&crop=1:1,smart)