初対面の1分間で相手をその気にさせる技術 朝倉千恵子
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初対面の1分間で相手をその気にさせる技術
朝倉千恵子
朝倉千恵子さんは、日本のビジネスコンサルタントで、特に女性のキャリアやリーダーシップに関する指導で知られています。彼女は「トップセールスレディ育成塾」などの研修プログラムを提供し、ビジネスマナーやセールススキルの向上を支援しています。また、複数の書籍を執筆しており、自己啓発やビジネスマナーに関する内容が特徴です。
セールススキルの体得
本書は具体的かつ体系的なセールススキルのための書であるといえます。
簡単に内容からまとめると次のようなことになります。
情報収集の場
飛び込み営業は「情報収集の場」として捉えるべきであり、断られることは当たり前と理解することが重要です。受け付けを味方にするためには、特に重要な人物に対して歩き方や声のトーン、感謝の意を示すことが必要です。また、「有益な情報」を持っていることをアピールすることで接触の可能性が高まります。次回の面談につなげるためには、担当部門、担当者の名前、役職、電話番号などの情報を収集することが目標です。
声のトーンと自信
声のトーンは重要な要素であり、特に「上司になった気分」で声を意識することが大切です。自分が持っている情報に自信を持ち、電話をかけることで信頼感を生むことができます。面談時間の目安を設定し、相手に印象を残すことも重要です。
ビジネスマナーの重要性
一流のビジネスマナーを身につけることで、他の営業パーソンとの差別化が図れます。基本的な姿勢や服装の清潔感、名刺交換の注意点など、外見や立ち振る舞いは顧客に良い印象を与える要素です。
ラポールの構築とニーズの把握
初回面談では「ラポール」を築くことが重要で、相手に対する感謝の気持ちを持ち、共感からスタートすることが信頼を得る鍵です。相手に与えるべき感情は「この人はわかっている」「この人は信頼できる」「この人は面白い」「なるほど!」の4つで、ニーズを把握するために質問を重視することが必要です。
クローズの技術
クローズはプロポーズであり、未来を創っていく行為です。ニーズが把握できている場合、ストレートに質問をすることが可能になります。クローズは質問形式で進め、相手の真意を確認することが重要です。また、面談中の質問を混ぜることで、相手に緊張感を与えることができます。最終的にはお客様の信頼を築き、ニーズに合った提案を行うことで、より良い関係を構築することができます。
本書は、セールスの基本的なスキルについて書かれています。
何より重要なのは実行するための情熱と考え方です。
生き方と言っても良いでしょう。
やらされている人と自ら考え行動している人では同じことを実行しても全く意味が変わってきます。
とはいってもマインドは急に育たないので、
「量から質への転換」という手法もあります。
特に若い人はまず量をこなし、質に変わっていく。
繰り返しとにかく実行してみて、体に染み込ませるように行動することで
身につけるしかないのではないかと。
2024年的補足として
本書は2005年というだいぶ前の本なのですが、内容は割と不変ではあると思います。一応、今に即した部分を補足するため、AIとの融合について触れておきたいとおもいます。
1. 顧客データの分析と予測
AIを活用することで、膨大な顧客データを分析し、購入傾向や嗜好を予測することができます。これにより、次のような利点があります。
パーソナライズされた提案: 顧客の過去の購買履歴や行動データを元に、個別に最適化された商品やサービスを提案できます。
セグメンテーションの向上: 顧客をより細かくセグメント化し、それぞれのグループに合わせたマーケティング戦略を立てることが可能です。
2. セールスプロセスの自動化
AIを使った自動化ツールは、セールスプロセスを効率化する手段となります。
リードのスコアリング: AIはリードのデータを分析し、商談に進むべきかどうかを判断するスコアを付与します。これにより、営業担当者は最も可能性の高いリードに集中できます。
定型業務の自動化: ミーティングのスケジュール調整やフォローアップメールの送信など、時間を要する定型業務を自動化することで、営業担当者はより重要な業務に集中できます。
3. コミュニケーションの向上
AIを活用することで、顧客とのコミュニケーションをより円滑に行うことができます。
チャットボットの導入: 24時間対応のチャットボットを導入することで、顧客の問い合わせに迅速に対応し、情報提供や予約などを自動で行うことができます。
感情分析の活用: AIは顧客のフィードバックやSNSでの発言を分析し、顧客の感情や意見を把握することで、営業戦略に反映できます。
4. トレーニングと教育
AIを活用したトレーニングツールを用いることで、営業チームのスキル向上が図れます。
シミュレーションによるトレーニング: AIを活用したロールプレイングシミュレーションを行うことで、営業担当者が実際のシナリオに基づいたスキルを磨くことができます。
パフォーマンス分析: 営業担当者のパフォーマンスをAIが分析し、強化すべきスキルや領域を特定することができます。
5. ネットワーキングと関係構築
AIは人脈を築く手助けをすることも可能です。
リレーションシップマネジメント: AIが顧客との関係性を分析し、次に接触すべきタイミングや方法を提案することで、顧客との長期的な関係構築をサポートします。
ネットワーキングイベントの最適化: AIは、顧客やビジネスパートナーと関連するイベントやミーティングを提案し、人脈を広げる手助けをします。
セールスにおけるAIの活用は、業務の効率化や顧客理解の向上に貢献し、営業活動の質を高める可能性があります。AIを導入する際には、技術だけでなく、それを活用するためのマインドや文化が重要です。営業チーム全体がAIの活用に積極的に取り組む姿勢が求められます。
AIを適切に活用し、現場の営業担当者が持つ情熱や考え方を引き出すことで、より効果的な営業活動が実現できるでしょう。また、AIによるデータ分析や自動化を通じて、持続的な成長を目指すことが重要です。
セールスに限らず、タイパの時代でもある現代においては、最初の1分間にすべてを込めるというのはとても大事なことになってきていると思います。
集中して取り組んでみてはいかがでしょうか?
サポートありがとうございます😊 コーヒー飲みに寄ってくださいね。