坂の上の坂 藤原和博
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坂の上の坂
藤原和博
東大からリクルート
当時、東大を出てまだ中小企業だったリクルートへ入社すると言うのは、
勝ち組の中の負け組といってもいいと思います。
ご本人はこのタイミングが意図的なドロップアウトだったとおっしゃっています。
他人からの視点での「良い子」をやめて、自らの足で歩みを進める第一歩となったわけです。
著者が取った企業内企業家と言うスタイルは、
13年前ではかなり斬新で、今最も注目される独立の方法だと思います。
箕輪厚介さんや、元テレ東の高橋さんなどが当てはまります。
藤原さんはこの分野での先駆者だったんですね。
2段式カーブモデル
本書の冒頭で「人生のエネルギーカーブ」について書かれています。
人生のピークモデルの事で、多かれ少なかれ1つの山をイメージします。
これを1段2段と坂の先に坂があるようなカーブをイメージするのがこの本の考え方です。
私もこの考えに同意していて、
13年前の段階で、今のような社会が来ると予測されていたことに驚かされます。
昔から独立起業と言うと、サラリーマンを辞めて一念発起何かを起こすと言うイメージでしたが、現在では副業を認める企業もだいぶ増えたため、企業に勤めながら2つ目3つ目の事業を起こす発想になりつつあります。
これについては、ここ数年のコロナの影響と物価の高騰の影響も大きかったと思います。
セルフマネジメント力は必須
以前なら企業というスケールメリットが有効かつ合理的でした。
今はそういったインフラ環境が個人ベースにおりてきて、コスト的にも気軽にできる環境が整ってきました。
その結果、自分個人を1企業として捉え、マネジメントしなければならないようになってきていて、自分の人生を他人のモノサシに委ねず、自ら設計して実施していくことが強く求められ始めています。
私が自営に入って4年が経過しています。
サラリーマン時代に並走しつつ自家焙煎コーヒー豆店を立ち上げてはや10年。
収入はサラリーマン時代に遠く及びませんが、ないよりはだいぶ良いと思っています。
これに甘んじる事なく、次の手をひたすら打ち続けるつもりです。
人生は終わりなき挑戦。
立ち止まったら死を意味すると思ってます。
国や何かのせいにしている場合ではない
特に今の日本だとしっかりと自分の方針と価値基準を持つべきです。
何かのせいにしがちなのが今の日本の風潮ですが、気づいてる人は確実に増えていて、国や周囲のターゲットを批判している時間を惜しみ、自分のために積み上げています。
メディアの情報操作に誘導されず、しっかり流れを読んで自分の判断をするスキルと孤独を感じても気にしないマインドが求められます。
本書は、13年前に今を予見していたかと思うような内容です。
理にかなった見識からくる予測の正確さです。
これも多読力の一端だろう。
みなさんも自分のありようについて考えてみてはいかが?