夜のピクニック 恩田 陸
毎日本を読む8/29
夜のピクニック
恩田 陸
一昼夜かけて80km。
帰国子女で、大学進学のため今はアメリカに戻った杏奈の
「みんなで夜歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」
この一言、すごくいいんだよなぁ。
「いまここ」って感じですよねぇ。
進学校で三年間、毎年一回来る24hのイベント。
若い頃って夜通し何かするってだけでもワクワクしましたよね。
あの頃のワクワク感が好きな人には、響く一冊だとおもう。
恩田陸先生ご出身の水戸一高伝統行事をベースに、そういったあの時期特有の空気感を封じ込めた作品。
高松空港から読みだして、機内でも読み続け、羽田空港について電車に乗ってもよかったはずですが、続きが読みたすぎて京急のホームのベンチでそのまま読み切りました。
当時映画化されてて、翌日速攻で浦和美園のイオンシネマまで観に行き、完全にハマり、しばらくしてから水戸までロケ地巡りにも行きました。
もちろん車ですけど、当時住んでいた東川口から水戸までがちょうど80kmで、「どんだけ遠い距離か!すごっ!」ってなって。
大学時代にほんの気まぐれで、世田谷から金沢八景まで歩いてみたことがあって、足が棒のようになったときでだいたい40kmくらい。ひとりで。(アホか)
一昼夜で80kmってほんとに異次元。
それとも友達とおしゃべりしてたら意外にいけるものなのか・・・?
映画の冒頭、登場人物がまんべんなく出てくる出発前の校庭シーンが、ワンカットで撮影されています。
主役の多部未華子さんと貫地谷しほりさんは、のちに連続テレビ小説の主役になっているし、加藤諒さんや柄本佑さんなども出ていて、今見るとなかなか「オー」というキャストです。
本もおススメですし、映画も素晴らしくて、私はどちらも大好きです。
可能なら、映画のほうは前日譚の「ピクニックの準備」(DVD)も見ていただけるとよりいいかと思います。
今回の毎日本を読む習慣化の中で、はじめて小説を取り上げました。
内容を書いちゃっていいのかとか、なかなかどうしてむずかしいのですね・・・。
恩田陸先生はこのあと「蜂蜜と遠雷」も待っていたりしますし、『六番目の小夜子』『球形の季節』も読んでみたい。