宿泊業のド素人が、手探りで「民泊」を始めて思ったのは、セカンドライフに、ちょーど良い道楽かもしれないなぁ・・・ってこと。
首都圏から伊豆の山の中に移住したはいいが、あまりに退屈 なので「民泊」を始めた。一昨年の夏前に「airbnb」に登録して、最初は 無届けでやっていたが、昨年の6月、正式に地元の保健所に 届出 をした。
というのも、それまで「民泊」は、野放し状態 だったのだ。
要は、2020年の東京オリンピック を前に、届け出制 にして、国が、その実態を把握する と同時に、宿泊施設の不足を補おう という目論見らしい。
ちなみに「民泊」と「簡易宿泊所」は、ほとんど 同じ設備 で営業が出来るが、それでいて「民泊」は、年間180日しか営業出来ない のに対して、「簡易宿泊所」は、年間365日フルに営業 が出来る。但し「民泊」は 申請料無料 で 更新不要。「簡易宿泊所」は、申請料がかかり、何年か毎に 更新しないといけない らしい。
うちの場合は、どうせ 年間180日も予約が入る事は無い だろうと「民泊」で申請した。実際、昨年4月から今年の4月までの間に 稼働したのは、年間、たったの 18日。これじゃぁ、本当に 趣味 か 道楽 だ。
しかし、精神衛生上 は、この 20日足らずの宿泊予約 でも、ずいぶん 救われた と言うか、刺激になっている。
何度も書いているが、伊豆の山の中の別荘地 は、町内会が無い し、隣近所からの干渉も一切無い。実に 自由気まま な反面、自分から働きかけない限り、孤独 なのだ。訪ねてくるのは、郵便局か宅配便の配達員 くらいなもので、かつては、一週間、誰とも口を利かずに過ごした・・・こともあった。
今現在は、3日に一度、宿直のアルバイト をやっているし、民泊 もやっているので、そんな事は無いけれど、アルバイトは、基本 一人勤務 なので、職場の人と口をきいても、引き継ぎ時 のみ。
民泊 をやってなかったら、ほとんど 他人とコミュニケーションする機会 が無かっただろう。
もちろん、そうならないように、別荘地のテニスサークル に入れてもらったり、音楽教室でサックスを習ったり、この「note」でやっている 共同マガジンに参加したり、いろいろとやってはみたのだが、どうも、そういう団体行動 というやつが性に合わないのか、みんなヤメてしまった。
残ったのは「民泊」と「宿直バイト」だけなのだ。(泣)
で、「民泊」だが、この2年間で 70人近いゲスト を泊めただろうか。
そのうちの半数近くが 外国人観光客 。(昨年18日しか稼働してないのに70人は数が合わないと思うかもしれないが、最初の1年目は、バイトをやってなかった事もあり、50日以上、稼働しているのである。)
まず、ゲストとホストの関係 だが、私の場合は、相手が必要としない限り、距離を置く ようにしている。基本的には、リビングをゲストに明け渡して、自分は部屋に篭っている事が多い。自分がゲストだった場合、四六時中、ホストと一緒に居るのは嫌だからだ。・・・と言っても、ゲストが来るのは夕方で、翌朝には出発するので、夜間のみ だが。
だからと言って、コミュニケーションを拒否しているわけでは無く、近くの温泉やスーパーに案内するクルマの中や、ちょっとした触れ合いの時間は大切にしている。まぁ、適度な距離感 というやつを保っている。
そのせいかどうか、民泊を始めて半年で、「airbnb」が規定する スーパーホストに昇格 した。これは、ゲストの平均評価が 5点満点の4、8以上を一定期間維持 しないと認定されない。
別に意識してやっているわけでは無いが、一応、ゲストに高く評価してもらっている・・・と思うし、ゲストも気持ち良く宿泊出来ている という事だと思う。そんな 適度な距離感 の中で、異文化を感じたり、共感したり、時間を共有したり出来るのが楽しいのだ。
もちろん、言葉の壁 があり、深いところでの意思疎通 が出来ているとは思えないし、ホストとゲストの間で、そんな意思疎通は不要 だとも思う。
同じ日本人どうし でも、ほんの一日か二日、生活を共にしたからと言って、何がどうなるものでも無いし・・・。
ただ、これまでの人生の中で、面識の無い人と同じ屋根の下で一緒に生活する という経験が無いので、もの凄く 刺激になる のは確かだ。
あと、今にして 良かった と思うのが、「airbnb」という システムを通してのみ、宿泊予約を受けているという事。「airbnb」を利用するには、最低限、パスポート・ナンバー や キャッシュカード を登録しないといけないので、何かあった時の 担保 になるし、事後の 評価制度 も、ゲストとホスト、お互いが 相手の事を評価し合う ことで、ルール違反 など、下手な事が出来にくくなっている。
おかげで、トラブルもなく70人近いゲストを泊めてこられた のではないかと思う。来週は、アメリカ人女性が独りで泊まりに来る。もう子育ても終わり、一年間、世界を巡っているらしい。初めての日本上陸 とのこと。羨ましくもあり、もう自分には出来ないなぁ・・・と言う諦観もある。
しかし、ホストとして接することで、世界旅行を共有することも出来る。
リタイア後の人生 に、「民泊運営」という選択は、有りだと思うなぁ。
セカンドライフ って、思いの外、退屈で変化が無い。それに社会との絆が希薄になる。趣味に生きたり、ペットを飼うのも良いが、小遣い稼ぎにもなる「民泊運営」は、何より 人生に刺激を与えてくれる・・・と思うゾ。
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