Rare Disease Dayに参加しました
2月28日は世界希少・難治性疾患の日です。
世界中に何千とあると言われている希少・難治性疾患の生活の向上や、啓発を目的としてスウェーデンで始まり、日本では2010年からRDD JAPANが2月最終日にイベントを開催しています。
Rare Disease Dayとは
今年のテーマは、つたえる、ひろがる、つたわる - Our odyssey with RARE。
日本中で1月末から希少・難治性疾患に関するイベントが開催されています。交流会から公開イベント、街中でのマルシェなどなど、本当にその形は主催者によりさまざま。
今年はクラウドファンディングの企画などもあり、どんどん多くの方に広まっています。
(ちなみに私の周りでは認知度100%だと思うので、すっかり浸透していると思っていたのですが、ちょっと違う疾患コミュニティに行くと全然知らない人も多かったので、まだまだ開拓の余地ありだなと思いました…!!!)
私たちピーペックでも2月22日にRDD記念ピーペックカフェを公認開催として実施しました。私が活動している福岡でも、RDD福岡を3月5日に実施予定です。
今回私が参加したのはRDD東京。
ずっと行ってみたかった分身ロボットカフェでの開催でした。
『OriHime』&『OriHime-D』の可能性
こんなオフィス街に、こんなに明るくて楽しい場所があるなんて…
分身ロボット『OriHime』&『OriHime-D』のみなさんともお話してきました。来店してすぐに福岡出身のスタッフさんとお話し、テーブルではスポーツ観戦が趣味というなおきさんと一緒におしゃべりを楽しみました。
自分だけオンライン、他の人は現地参加というイベントに何回か参加したことがありますが、音声だったり画像だったり色々ハードルがあります。
もちろん『OriHime』&『OriHime-D』でもそれが100%解決されているわけではないのですが、ロボットでもその身体性が、コミュニケーションに与える影響は大きいなと感じました。
例えばこっちを見ていることがわかる、手を挙げたり首を振ったりである程度のジェスチャーがわかる、そうしたことはオンラインの距離を確実に縮めます。今回同じテーブルのなおきさんにみんなでお尋ねして、操作や見え方についてもざっくばらんにお話いただいてとても勉強になりました。
そして眉間のカメラでテーブルの記念撮影までしていただきました!本当にすごい!
『OriHime-D』の方にはお水をサーブしてもらい、北海道は雪が多いですかなんてお話をしたり。
私自身神経難病で、手足の不自由な状態は一般の方よりは理解できる立場にあるかと思います。そうした制約の中で、リアルの現場で働くことができるのはテクノロジーと、これを開発している皆さんの力の賜物だと思います。
いつも、目が悪い人が眼鏡をかけるように、病気をもつ人が適切なテクノロジーを得て、それが当たり前になるようにと思っていますが、その未来を垣間見た気がしました。
会場の様子(写真)
患者の生の声 絶望するかしないかは因果関係ではない
会場では夕方から夜にかけてオンラインで企画が配信されました。
難病の法制度に関することや、レスパイト施設の紹介、新生児スクリーニングについての講演、患者の生の声session、Wheelogのsessionなどがありました。
患者の生の声セッションは毎年とても楽しみなのですが、今年の皆さんの生きる姿も本当に素晴らしく、後日動画配信されるとのことなのでぜひご覧いただきたいと思います。
お三方とも本当に心から共感することばかりでしたが、私が強く印象に残ったことを少しご紹介すると、
というお言葉でした。色々な考え方がありますが、私もそうだと思っています。
病気であることは変えられないけれど、それで絶望するかどうかは変えられる。
病気と生きていく上で、私はニーバーの祈りが好きなのですが、
絶望はこの「変えることができるもの」だと思っています。
もちろん様々な状況があり、これはあくまで私のポリシーということですし他者に強要するものではありませんが、病気を生きる上で力強い味方になってくれる考え方だと私は思います。
RDD東京では東京タワーのライトアップも行われ、同日熊本でも熊本地震を経て復興した熊本城がRDDカラーに順番にライトアップされ、たくさんの方にRDDがつたわる、素晴らしい企画が行われていました。
あと少しRDDが各地で開催されますので、お近くで開催されているイベントがある方はぜひご参加ください。また、オンラインでアーカイブ動画が閲覧できる企画もたくさんあるようなので、ぜひぜひご覧ください。
難病は、単に患者数、数値、データではありません。一つ一つの数字の裏に、生きている人間が一人ずついます。
そんな発信を、ぜひ見ていただきたいと思っています。