Q:流派が違うのに、結果が同じこともあるのはなぜ?
A:流派が違っても画数が同じ漢字や、画数の吉凶に差が無い場合もあるので、同じような結果が出ることもあります。結果の信憑性とはまったく無関係です。
複数の占いサイトを見て、正反対の結果に困惑する利用者がいる一方で、同じような結果が出たために、いっそう不安になる利用者もいます。これは一体、どういうことでしょうか。
●流派が違っても画数が同じ漢字もある
漢字の画数は同一漢字でも流派によって違います。代表的な流派には、新字派、旧字派、康熙派、戸籍派、常用派(いずれも当ブログでの仮称)がありますが、このうち高い頻度で画数が違ってくるのは新字派、旧字派、康熙派の三派です。[注1]
たとえば、漢字の「沢(7画)」は新字体ですが、旧字体は「澤(16画)」です。そこで、新字派は「7画」とし、旧字派は「16画」とします。
一方、康熙派は旧字体「澤(16画)」の「さんずい」を4画とみなして「17画」とするのです。
ところが、名前が「田中大吉」さんの場合、田(5画)、中(4画)、大(3画)、吉(6画)のどの画数も新字派、旧字派、康熙派で同じです。
実は、このような漢字は全体の6割くらいあるのです。つまり、これらの漢字で構成された名前なら、流派の違いが表に現れないわけです。[注1]
もし、あなたの名前を複数の流派で試してみて、画数がどれも同じなら、それは「田中大吉」さんと同様の、流派の違いが表に現れない名前だったわけです。このような名前は10人に1人くらいあるので、とくに珍しいことではありません。
●流派が違っても吉凶が同じ画数もある
画数の吉凶は占い師ごとにだいぶ違います。姓名判断で用いる数(画数)は1~81ですが、吉凶が真逆の画数はよくあります。流派が同じであっても、なくてもです。
私が調べた限り、すべての占い師で吉凶が一致している画数はありませんでした。[注1]
もし複数の占い師や占いサイトが同じような結果を出したとすれば、流派が偏っていたか、単なる偶然かのどちらかです。一般的には、流派や占い師が違えば、同一漢字の画数が違うとか、同一画数の吉凶が違っているものです。
たとえば、「森 七菜」さんの画数は流派の違いで少なくとも12種類になります。そのうえ、画数の吉凶も違うとなれば、結果の種類はもっと増えるでしょう。[注1]
占い師を取り替えれば、大吉から大凶まで、ありとあらゆる結果が揃うのです。なので、ある流派の鑑定結果がたまたま悪くても、気にすることはありません。「あなたの運勢は最高です」という別の流派を信じれば良いのですから。
目の前に食べごろのリンゴと腐ったリンゴを差し出された場面を想像してください。「お好きな方をどうぞ」と勧められたら、どちらを取るか迷ったりしないでしょう?
●複数の流派の占い結果が同じでも、まったく信憑性はない
画数の吉凶は本来、流派や占い師が違っても、相互に一致しているべきものです。というより、部分的であっても吉凶が一致していないのは大問題なのです。不一致の混在によって、吉凶の評価システム全体の信頼性が損なわれるからです。[注2]
スープの塩加減を味見するのに、鍋の中身を全部飲む必要はありません。鍋の中央をスプーンですくって舐めてみて、もし塩辛ければ、鍋の端っこも塩辛いはずです。
画数の吉凶に部分的な矛盾があるということは、「その評価システム自体が使い物にならない」という何よりの証拠です。