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若い頃、占い師になろうと決意し、姓名判断について徹底的に調べました。が、ついに確信を持…

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若い頃、占い師になろうと決意し、姓名判断について徹底的に調べました。が、ついに確信を持てる技法を見い出せず、やむなくプロの道を断念。ただ、自分が知り得たことは誰かの役に立つのでは、と考えました。もし姓名判断の結果に不安がある人は、どうぞ参考にしてください。

マガジン

  • 名前は性格や運勢に影響するか?-Ⅰ

    姓名判断はガラクタの山に過ぎないのか? 「必ずしも、そうとは言い切れない」というのが、ここでのテーマです。名前の呪的側面をあえて妄想スレスレまで追求し、微かな可能性を模索します。果たして、名前の呪力(魔力)は「運命の輪」を回すことができるのか?

  • 名前は性格や運勢に影響するか?-Ⅱ

    姓名判断はガラクタの山に過ぎないのか? 「必ずしも、そうとは言い切れない」というのが、ここでのテーマです。名前の呪的側面をあえて妄想スレスレまで追求し、微かな可能性を模索します。果たして、名前の呪力(魔力)は「運命の輪」を回すことができるのか?

  • 5分でわかる姓名判断の「ホント?」

    姓名判断について、よくある「それホント?」の疑問に解説します。当ブログの横断的な要約です。

  • 姓名判断で知る人間心理の落とし穴

    勘違いや思い込みは誰にでもあります。ここでは姓名判断を通じて、占い師と占い利用者(鑑定依頼者)の双方に、どんな勘違いや思い込みが隠れているか探っていきます。

  • 姓名判断で知る仰天の近代・現代

    姓名判断についての疑問を掘り下げていくと、思いがけない事実を発見することがあります。ここでは、そんな姓名判断の雑学をご紹介していきたいと思います。

最近の記事

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「姓名判断」は当たるか? : 目次

元祖「占わない師」の部屋へようこそ。 ここでは、あなたの運勢は占いませんが、姓名判断についての疑問や悩みの多くは、きっと解決するはずです。いろいろ知ることで、占い結果の受け止め方も大きく変わります。 以下に当ブログのマガジンについてご案内します。目的に合わせて覗いてみてください。なお、( )は複数マガジンに重複収録したテーマです。 <姓名判断で悩んでいる人>姓名判断の鑑定結果が悪いことばかりで、不安を感じているなら、こちらにどうぞ。あなたがイメ-ジしていた神秘的な姓名判断

    • 名前で運勢が変わるか?(17):名前は運命の一部か?<補遺>

      「名前が実体を持つ」とか「名前は発見されたもの」などというと、ずいぶん奇妙に聞こえますが、それほど突飛な発想ではありません。 たとえば古代中国には名家思想というのがあり、戦国時代の中期~後期に活動した公孫龍という人は、「概念は実在する」と主張したそうです。「堅くて白い石」の「堅さ」や「白さ」は現象界を超えた世界に実体を備えているというのです。[注1] [*1] ん?なんで概念の話?実は名前もひとつの概念と言えるのです。人の名前も、生身の人間を象徴する「記号(音や文字)」と

      • その占い師が「当たる」ってホント?

        ●姓名判断の奇妙な世界 姓名判断についてネット検索すると、「ん?」という質問がたくさんヒットします。たとえば、「どの占い師(または占いサイト)が当たりますか?」とか、「画数は旧字体と新字体のどちらが正しいですか?」などです。[注] こうした質問をするからには、姓名判断には流派がいくつもあって、単一ではないことを知っているはずです。ふつう、業界のこんな実態に気づいたら、「どれも当てにならない」と考えそうなものですよね。 なぜって、食べ物や衣装デザインを選ぶのとはわけが違う

        • 「呪術」としての姓名判断

          姓名判断には「占い」と「呪術」というふたつの機能があります。もちろん、呪術とは言っても、姓名判断で儀式や呪文は用いません。 ですが、「幸運を招く(or 不運を避ける)ために吉名をつける」という行為は、名前で運勢をコントロールしようとすることです。これは「占い」ではなく「呪術」です。[注1] ●呪術ビジネスとしての姓名判断 姓名判断の業界は、占い師とその利用者(鑑定依頼者)がともに「姓名判断は当たる、吉名は幸運を招く、運が悪いのは名前のせいだ etc」という信念を共有し、

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        「姓名判断」は当たるか? : 目次

        マガジン

        • 名前は性格や運勢に影響するか?-Ⅰ
          11本
        • 名前は性格や運勢に影響するか?-Ⅱ
          9本
        • 5分でわかる姓名判断の「ホント?」
          12本
        • 姓名判断で知る人間心理の落とし穴
          9本
        • 姓名判断で知る仰天の近代・現代
          10本
        • 姓名判断に信憑性はあるか?
          20本

        記事

          技法の信憑性(6):音韻五行<下>

          ※前半はこちら ⇒『技法の信憑性(6):音韻五行<上>』 ●勘違いの先駆者 さて熊﨑氏は、「音霊」の技法を広める際、勘違いから「五気」を批判しましたが、勘違いしたのは熊﨑氏が最初ではありません。こんな勘違いにも先駆者がいたのです。何ごとにも先駆者はいるものです! その先駆者とは、「音霊」のところでも触れた和田哿邦、上野勝啓の両氏です。彼らの『哲学的姓名学之基礎』を見てみましょう。「音読みを用いるのは間違いで、発音のままに五行を配当するのが正しい」として、次のように説明し

          技法の信憑性(6):音韻五行<下>

          名前で運勢が変わるか?(16):名前は運命の一部か?<下>

          「名前が見つけ出すべきものだって?なにをバカなことを!」確かにこれはバカげたような思いつきです。もし名前が見つけ出すべきものなら、その名前は最初からどこかに存在しなくてはなりません。いったいどこに? ●共感覚現象が示唆するもの あれこれ思いを巡らすうち、ふと「もしかして・・・」という考えが浮かびました。ヒントは共感覚現象です。並外れた共感覚者のシェレシェフスキーはこんなことを言っていました。[注1] 問題は最後の部分です。この「すべての感覚器官を通して感じることが必要で

          名前で運勢が変わるか?(16):名前は運命の一部か?<下>

          名前で運勢が変わるか?(15):名前は運命の一部か?<上>

          ●出生タイミングと運命 占星術についての素朴な疑問のひとつに、「出生の年・月・日・時間が同じ人たちは、運命も同じになるのか」というのがあります。 大著『神の国』で有名な聖アウグスティヌスは、富裕な家庭に生まれた友人と、同じ日の同じ時間に生まれた奴隷とが異なる人生を辿ったことに気づき、占星術信仰を捨てたそうです。[*1] 仮に人間には与えられた運命があり、その一端を読み解く神秘の技術が占星術だとしたら、同じ年・月・日・時間に生まれた人は、みな同じ運命になるはずです。 し

          名前で運勢が変わるか?(15):名前は運命の一部か?<上>

          技法の信憑性(3):五気(五行)<上>

          ●「五気」の判断法 「五気」(「五行」ともいう)は、明治の中頃に「数霊」と同時に登場した技法です。漢字を音読みして、その音に五行を配当し、五行がどんな配列・配合になっているかで吉凶を判断します。 五行とは、「古代の中国人が考えた、万物を構成する五つの要素」のことで、木、火、土、金、水の五つがあります。漢字もこれらの性質を持っていると考えられるので、五行のどれかが配当されます。 ●漢字の五行 個々の漢字に五行を配当するには、一定のルールがあります。漢字には音読みと訓読み

          技法の信憑性(3):五気(五行)<上>

          姓名判断は「旧字体」が正しいってホント?<下>

          ③「旧字体の姓名判断は新字体より伝統的」ってホント? ●旧字体を用いる旧字派と康熙派 この議論を正しく評価するには、まず旧字派と康熙派を区別してかかる必要があります。 字画の合計数で吉凶を判断する方法は明治中期に作られました。その後、昭和初期までの約40年間はどの占い師も「さんずい」は3画、「草かんむり(旧字体は++)」は4画でした。 一部の占い師が「さんずい」に4画、「草かんむり」に6画を使いだしたのは、康熙派の元祖、熊﨑健翁氏が登場して以降のことです。[注1]

          姓名判断は「旧字体」が正しいってホント?<下>

          姓名判断には占い師の数だけ流派がある<続>

          ●一字姓、一字名に1を足す流派と、足さない流派 姓名判断といえば、真っ先に思い浮かぶのが、姓名の字画数を合計して吉凶判断する方法(数霊法)でしょう。 ところで、この技法を使う占い師には「姓と名はどちらも二文字以上で構成されるべきだ」という流派があります。彼らは、一文字の姓や名の場合、そこに1が隠れていると見なすのです。 例えば、姓と名の両方が一字の「武 豊」さんなら、下のようなイメージで考えるわけです。     姓      名   (1) 武    豊 (1)   

          姓名判断には占い師の数だけ流派がある<続>

          名前で運勢が変わるか?(14):名前の共感覚的イメージ

          共感覚と呼ばれる奇妙な現象があります。この特異な感覚の持ち主は、音を聞くと色が見えたり、何かを見たときに音が聞こえたりするそうです。『共感覚者の驚くべき日常』(R・E・シトーウィック著)には、ミントを食べると、滑らかなガラスの円柱の手触りを感じる人まで登場します。[*1] 共感覚は作曲家や詩人に多いらしく、音楽家のフランツ・リストに関して面白い逸話が伝えられています。彼がワイマールで指揮者に任命されたとき、リハーサルの際に「できればここはもっとピンク色に」とか、「黒すぎる」

          名前で運勢が変わるか?(14):名前の共感覚的イメージ

          名前で運勢が変わるか?(13):音がもつイメージの科学的根拠<下>

          音がイメージを生み出す「音象徴」という現象は、大きい、小さいなどの視覚的イメージだけでなく、人柄(人間のパーソナリティ)のイメージにも起こるようです。名前の音が人柄のイメージに影響するのです。 ●マ行やナ行の音は、カ行やサ行の音より優しく聞こえる 音象徴と名前のイメージとの関係を調べたところ、[m、n、y、r、w] の音は「より優しくソフトな人柄」をイメージさせ、[t、s、k] の音は「よりクールで近寄りにくい人柄」をイメージさせる傾向があったそうです。 しかも、同じ現

          名前で運勢が変わるか?(13):音がもつイメージの科学的根拠<下>

          名前で運勢が変わるか?(12):音がもつイメージの科学的根拠<中>

          発音の [a] と [i] が英語を母語とする人に「大きい、小さい」をイメージさせるようですが、はたしてこれは普遍的な現象でしょうか。少なくとも、日本人にも通用する現象なのでしょうか。 ●伝統的生活を営む人々も、[a] は大きく、[i] は小さい あまり文明が進んでいない地域の人々に対して、動物にどんな名前を付けているか調査したところ、体型や動作の特徴によって名前の音に明白な偏りがあったそうです。[*1] たとえば、南米ペルーに住むフアンビサ語という言語を話す人々は、大

          名前で運勢が変わるか?(12):音がもつイメージの科学的根拠<中>

          名前で運勢が変わるか?(11):音がもつイメージの科学的根拠<上>

          音にはそれぞれ固有のイメージや雰囲気があるらしい、ということでした。確かに、感覚的・経験的にはなんとなく理解できるのですが、科学的な根拠はあるのでしょうか。 ●ブーバ・キキ効果 有名な現象の一つに、「ブーバ・キキ効果」というのがあります。曲線図形と直線図形の二つを被験者に見せて、どちらがブーバでどちらがキキと思うか聞くと、大多数の人は「グニャグニャ図形がブーバで、ギザギザ図形がキキだ」と答えるそうです。 この現象を初めて報告(1929年)したのは、ドイツの心理学者でヴォ

          名前で運勢が変わるか?(11):音がもつイメージの科学的根拠<上>

          名前で運勢が変わるか?(10):音には固有のイメージがある<下>

          ●音相とは何か? 色には色相といって、色自体が持つ独特のイメージや雰囲気が備わっているようです。 たとえば、赤や黄を中心とした色の群には、感情的、興奮、攻撃、自己主張、要求、遠心性、外交性、子ども、リゾートなどの意味合いやニュアンスがあり、青を中心とした色の群には、理性的、冷静、守備、自己抑制、忍耐、求心性、内攻性、大人、ビジネスなどを表現するそうです。 それなら、音にもそれぞれ独特のイメージや雰囲気があってもいいのではないでしょうか。そういうことを研究されているのが、

          名前で運勢が変わるか?(10):音には固有のイメージがある<下>

          名前で運勢が変わるか?(9):音には固有のイメージがある<上>

          『名前は性格や運勢を左右するか?(1)~(8)』では、名前あるいは漢字の視覚的なイメージが運勢を左右する可能性を検討しました。 そこで次は、名前を声に出したときの音の側面、つまり聴覚的なイメージの影響力について見てみたいと思います。 ●擬音語でどこまで説明できるか 以下に『日本語を考える』(岩淵悦太郎著)から引用させていただきます。 このように考えるのが普通でしょう。日本語の単語をすべて擬音語で説明できないのと同様に、人名の読みをバラバラにして、その一音一音に意味付け

          名前で運勢が変わるか?(9):音には固有のイメージがある<上>