書評『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』藤森かよこ

まず野郎の私がこの本を読んだかだ。


非常に汚い表現を使っております。性格が清らかな方は読まないでください。


バカでブスで貧乏でも女性であれば膣があるから少なくても若いうちはモテる。それに対しバカで顔が悪く背も低く貧乏な男は来世に期待するしかない。この残酷なテーゼへの明確な答えは私は知らない。20世紀は戦争と工業化のおかげでとりあえずの頭数が必要であった為、遺伝子ガチャと親ガチャに成功せず、努力する才能もない男性でも結婚し子供を作れた可能性は高いが、21世紀においては安アパートで無料AVを見ながら一人年齢を重ねるしかない。まさにハラリ先生の言う無用者階級だ。ハラリ先生はここまで露骨には書いてないけど。

この答えを探して本書を読んだが、女性向けの著作でもあり、この問題への答えはなかった。それでもこの著者の世間への一見うがった見方は面白かった。
まず筆者は元大学教授で当然馬鹿ではない。一般的な意味でのバカは自分の伝えたいことを言語化できないので、当然本一冊を書き上げるなんて到底不可能だし、何なら本も読まない。それは著者も本書の中で本を書く人はもともとスペックが高いのでスペックの低い人間には役に立たないと述べている。そう自己矛盾です。それでもせめて本を読める程度の知性がある人間には、経済的にも、自己認識の面でも少しでも楽になるためにこの本を書いておられると私は理解した。
そして著者が推薦している本も面白いものが多く確かにおすすめ本ガイドとしても役にたつ。
『女たちのサバイバル作戦 』上野千鶴子

『「AV女優」の社会学』鈴木涼美

などの社会学系は男性Drはまず読まないので興味があれば。
本書では挙げられていないが上野先生の『ザ・フェミニズム 』は婚活男子にもおすすめです。結婚適齢期(そんなものがあれば)を上中下に分類し、下層は生存のため結婚し、中層は旦那に経済的に依存するために結婚し、上層は保存すなわち現状維持+卵子活用=子供のために結婚をすると論じている。

本書に戻って興味深い内容を箇条書きに
兵隊文庫の話 第二次大戦期に兵隊に配られた文庫本。自分の状況を俯瞰しメタ分析することで死にかけた兵隊の心を癒やし、中産階級階級の教養を涵養した。

『健康保険や厚生年金は税金であって保険ではない。保険は中途解約して解約返戻金が出ない保険は保険と言わない。』このあたりの指摘はするどい。最近厚生年金が改正され令和2年9月1日から、32級という当たらな等級が指定された。月給65万なので、多くの医師にとっては実際は増税だ。

『社会がアレしてくれない、これしてくれないくい、他人が自分の都合よく動かないことでギャアギャア騒ぐのはいくら馬鹿なあなたでも37歳までだ』
ブサイクでも膣モテしていた20代から減価償却されたつくした37歳で気づいても遅いので、37歳までには償却されない資産に変えておく必要があると感じる。具体的には金融資産や人的資産や社会資産だ。このへんは

見て頂けると良いと思います。

私は不勉強で読んだこともないのだが、文系なら必読のマックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』も筆者なりの解釈の『貧乏は清貧ではなく、隣人に必要な物質やサービスも提供できず禁欲節約できない愚か者』という指摘は斬新で面白かった。でも、そうして貯めたお金をオレオレ詐欺する人間は身内で、貴重な老後資金を高齢者から情に訴えて奪っていくと述べている。

我ながら感情的すぎる文章になってしまったが、この本には何か心を揺さぶる内容がありました。
連休や当直など時間のあるときに是非読んでみてください




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