虎に翼
すごく信頼している友達が、とあるツイートをしていた。
「虎に翼、今からでも見た方がいい、1話から録画してるから見にきて」
そんなに?!と思ってすぐ「行きます」と返信した。
その後別件でばったり会ったその友達は、会うなり「いつ見にくる?」と言った。
行かない理由がますますなくなって、慌てて日程調整をした。
お家に着いてすぐ再生し、友達とその家族と観る。
開始直後から「え!」と驚きと感動の連続で、途中「ちょっともう無理、一旦休憩させて…」と泣きながら一服した。
まず、主人公が最高にチャーミングだった。
いわゆる昔ながらの思い込みである、勝手に作られてきた「男っぽい」も「女っぽい」もない、ただのチャーミングな「ひとりの人」であること、これはかなり意識的に描いていると思う。
チャーミングなんだけどそこにはいわゆる「女の子っぽい」か弱さがない。
家父長制によって作られてきた「女子像」である、明るく前向きでどこか抜けてる女の子、ではない。
自分に正直であり、考え抜いて、不安になりながらも信じて進む賢い1人の人がいた。
モブのようにあらわれる女性たち、1人ずつにも物語が見える。ジェンダー差別、そもそも人権すらなかった女性たちの声なき声が、映像の端々に映り込んでいる。
途中、母が寅子にかける言葉や、投げつけられた言葉たちに身に覚えがありすぎて、辛くてまた泣いた。
全く同じセリフをわたしも母や祖母に言われたことがあるし、全く同じ思いをしているのだと涙があふれた。
「賢い女の子は頭の悪いふりをするの」
「思ったことをすぐ口にするのはやめなさい」(女だから)
ああ、身に覚えがありすぎる。
でもこの寅子とその周囲の描き方は違った。
寅子は傷ついているかもしれないけど、堂々としている。自分の持った疑問を疑問と思わない。わからないことはわからない、理解できないと飄々としているように見える。もちろんショックを受けているはずだけど「女の子」を馬鹿にした描き方をしていない。
寅子のように話し、行動することを誰1人として笑わらないのだ。
当時はジェンダー差別が差別として存在せず、それがさも当然な時代だったはずなので、意図的にこのように描いているのだと思う。
「寅子の方がさも当たり前」として描いている、これはかなりエポックメイキングなことだと思う。
振り切ってこの形にしてくださったこと、本当に素晴らしいし感動しかない。
見ていると、今も昔も変わらないのだと悔しくもあり、この人たちのおかげで今があると敬意を持ち、さらに「わたしの一挙手一投足も必ず未来につながるのだ」と勇気が出た。泣きながら、その勇気を噛み締めた。
今はかなり序盤なのでこの先が本当に楽しみで、居ても立っても居られずオンデマンドに加入しました。
友達は「主人公がユッコみたいなんだよ、絶対見てほしかったんだよ」と言ってくれてすごく、嬉しかったです。
引き続き感想を綴っていきたいです。
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