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AI: ソムニウムファイルシリーズに新作か!? 予想と残った謎を軽く整理

前作が出てから早1年半。ついにAI: ソムニウム ファイルに新作情報が出そうだ。

第2作目、『AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』ではある理論を軸に、強烈で個性ある物語が描かれていた。個人的な考察記事も載せているので、こちらはクリア後に読んでいただきたい。
というより、今から書く内容も前作や前々作のネタバレ全開なので、まだプレイしていない方はご注意ください




打越鋼太郎氏の投稿にある文字化けは、記事の通りAI2作目で主人公の一人、龍木がヴェイパーウェーブ風味の動画を見せられ、バグってしまった時に出るセリフである。

前半の「破レ綻ベゲ脱セヨココハ虚構幻世界目覚めヨ諸君革命ノ時真理ノ扉開ケ」はNAIXの教義そのものであり、最初から最後まで彼らに振り回されたストーリー展開であった。

後半の「俺ハダレコ処ハドコ今ハ何時キミハワカラナイワカラナイワカラナイ…」は龍木のセリフと思われ、特に「わからない」3連発は実際に喋っていたことである。

最後の「仮想空間損壊シ 偽ノ世カラかイ放ヲ」は、またNAIXの教義の話に戻っているのだろうか。

まず確実なのは、AI3作目でもNAIX教団が絡んでくることである。1作目ではイリスのホラ話として仄めかされている程度だったが、2作目では実在することが確定した。考察にも書いたが、AI世界の住人であるNAIXたちは、
我々プレイヤー側の世界によってプログラムされていたことに気付き、自分たちの世界を仮初として、解脱を図ろうとしていた。結局、時雨だけが解脱することに成功しているが、その後彼女がどうなったのかは不明だ。NAIXの言う解脱と、時雨が望んでいた我々の上の世界への解脱が一致していたかも不透明である。

通常エンド、例の大団円の世界線では、時雨らNAIXの面々は死亡、組織も壊滅している。変化球を投げてこない限りは、こちらが3作目の世界線の大本になるのは間違いないだろう。

ではどう絡んでくるかと言えば、生き残りがいたとか、教義自体は滅ばず伝播していたというシンプルな展開もありえるが、おそらく別世界線で解脱した時雨が干渉してくると思われる。

彼女はAI世界から解脱しているので、1つ上の我々プレイヤー側と同じ世界にいる(という設定)。つまりプログラミングされた世界に縛られていないわけであり、我々がゲームで自由にセーブ&ロードしたり別のパラレルワールドを楽しむように、彼女もまたAI世界に対して自由に干渉ができるのである。隠しエンドでは、時雨が龍木に事件の顛末を全て伝え、あっという間に解決してしまった。世界層の違う彼女だからこそできる芸当である。今回はその辺をどういう表現で魅せてくれるのか、製作者たちに期待だ。

余談だが、時雨はどうやら海外ファンたちに人気らしい(色んな意味で)。なので続投は十分あり得るだろう。

また、龍木のセリフを引っ張ってきているのだから彼の謎も当然解き明かされていくだろう。彼のバグ現象は、特定の動画を見せられたり、時間軸の矛盾が起きると起こるようである。そのバグはNAIXたちが求めていた解脱に必要な綻びのようであり、龍木を狙い撃ちしていることからも彼らにとっては必要不可欠の存在であった。実際、彼を通して時雨は我々プレイヤーを「フレイヤー」と呼び、語りかけてきた。

なぜ彼はAI世界において異質なのか、彼の経歴を含めそこまでは詳しく明かされていなかった。また考察にも半分愚痴で書いたのだが、彼の行動は不可解だったりシンプルに不快なものがあったので、このまま退場は流石に無い。主人公になるかは不明だが、キーマンになるのは間違いないだろう。きっちりフォローを頼みますよ~。

予想としては、龍木自体がそもそもバグという説。AI世界はプログラミングされたものなので、バグは必ず存在する。NAIXはそこから解脱を狙っていたわけだが、龍木自体がバグであることを何らかの方法で知り、事件に巻き込んだという流れだ。彼の精神状態は通常でも不安定であり、バグらしい挙動をしていたということなのだろう。また、時間の記憶が飛ぶことがあるのも現状は彼だけである。同じく主人公であるネエネとみずき自体はその辺の異変が無かったのも裏付けだろう。

明かされていない謎ならまだ多くある。

AI1作目で言及されていた、AI-Ball達にも関係があるウジャトシステム。イリスいわく、ウジャトは宇宙の電波をキャッチし、そこからデコードした結果生まれたシステムで、目的は別の知的生命体へ自身のコピーデータを飛ばして繁殖すること、そのために影の勢力として操っているのがNAIXである。当然、解脱や複数の世界線の話と無関係ではないだろう。今思えば、基本的に我々プレイヤーが遊んできた場面には、必ずAI-Ballがいた。彼女らが文字通り目で見たデータを収集し、世界線や結末を集めて解脱を手助けしているのがウジャトシステムなのか? アイボゥやタマには自覚がないようだが、果たして。

となるとABISとNAIXは繋がっているのか、という話になるが、怪しい場面はAI2作目にあった。あれほど可愛がってきたみずき(ネエネの件も含めて)を、ボスが突然化け物扱いにして敵対しているほか、伊達も事件の黒幕とABISの関係を疑っていた。AI1作目も2作目も、NAIXのための茶番だった可能性があるわけである。ABISの面々が、それを知っていて伊達やみずきらを利用しているとしたら? 

伊達はボスに拾われた。ネエネはボスの養子になった。みずきは伊達に迎えられているが、偶然だろうか? そして龍木もABISに加わっている。上記の龍木バグ説が正しいのだとすると、彼も意図的にABISに誘われている可能性がある。そして全員、自発的にも強制的にも、諸々の要因で片目を失っており、観測システムとしてのAI-Ballを入れるにはうってつけなのである。ネエネとみずきが瓜二つなのは法螺鳥のクローン実験によるものだが、フレイヤー側を騙すような時間軸と認識のズレ、引いては綻びを生み出すためにも利用された。解脱計画を見越して2人を誕生させたのか、はたまた偶然なのか。

また、NAIXと袂を分けた存在である%教団もほぼ確実に絡んでくるだろう。彼らについてはほとんど謎で、NAIXと同じくAI世界がシミュレーションであることを認識しつつも、解脱ではなく、非人道的なことも好き勝手にやることを主義としている。

AI2作目では法螺鳥が所属していることと、その教義だけが明かされていた。しかし時雨と同じく、我々プレイヤー側を認知していることは間違いない。教義の説明において男性と女性の2つ声があり、プレイヤー側に語りかけてきた冒頭のメタクイズと同じ声である。また男性の声に至っては世界線のズレを引き起こす例の答えを問う場面でも出てくるので、時雨やNAIX以上にプレイヤー側を認知している存在なのかもしれない。


さて、AI: ソムニウム ファイルでは発売前に、色んなプロモーションをしかけて来た。1作目はイリスのYouTubeチャンネル。2作目はカクレコウモリによるARGである。

両者とも流行りに乗っかっている感じだったが、今作はどんな趣向を凝らしてくるのか。映像を見る限りではイリスの謎動画を彷彿とさせるが……。

ちなみにカクレコウモリはAI世界はおろか我々プレイヤー側の世界にも干渉してくる存在のようだが、彼らの正体についても謎のままである。考察では、我々よりさらに一つ上の世界線にいる存在、としたが、正直疑問だ。3作目で出てくるなんてことはあり得るのだろうか。


とにもかくにも、3作目が発表になりそうで、本当に喜ばしいし心から感謝したい。前作は最後の安っぽすぎる展開で軽く冷めたのが本音だが、それは除いてシミュレーション理論の設定一つでこんなに興味深い味わいを醸し出せたのは、流石打越氏といったところだ。また唸らせてくれる作品になることを大いに期待したい。

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