見出し画像

Vision&Work hard

時々見ては感銘を受ける、山中教授の記事2つ。

Visionの「V」と、Work hardの「W」、この2つを守れば、研究者として、人間として大丈夫だということをおっしゃいました。
同時に、「伸弥、君はものすごくワーク・ハードしているのはよく分かっている。でもビジョンは何だ」と聞かれました。

そうするとマーレー先生は、「何言っているんだ、伸弥。それはビジョンじゃない。偉くなるのも、研究費をいっぱい貰うのも、ビジョンを達成するための手段だろう。本当のビジョンは何だ、なぜ医師を辞めたんだ。どうしてアメリカまで来て研究してるんだ」と。

私が行けと言われた病院は、大阪にあるほんとに立派な、新しく建て直したばっかりの素晴らしい病院でした。ですから私は「これはラッキーだ」「こんないい病院で働けるんだ」と喜んで働き始めましたが、これが「塞翁が馬」の始まりでした。
喜んで働き出したんですが、待っていたのは鬼より怖いような上司の先生でした。僕はその後2年間、怒られなかった、怒鳴られなかった日は一日もありません。毎日もう、ほんとにもう、凄い目に遭いました。山中という名前ですが、山中と呼んでもらったことはありません。何て呼ばれていたかというと「ジャマナカ」。「こら、ジャマナカ、ジャマナカ」と毎日呼ばれていました。

当然、日本でも研究者で頑張ろうと自信満々で帰ってきましたが、アメリカとですね、日本の研究環境が全然違って、日本に帰ってきたらすぐに、また自信を失ってしまいました。アメリカでうまいこといっていた研究が、日本では全くうまいこといかないんです。日本に帰ってきてやっていたのは、実験動物、ネズミですけれども、何百匹というネズミの世話をする必要があって、毎日毎日、200匹、300匹のネズミの世話ばっか。自分が研究者なのかネズミの世話係なのか分からない、そんな毎日。そういう間に、これはやはり研究者としてもだめだと、また自信を無くしてしまいました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?