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人生を変えたかもしれない出会い
あの出会いが、僕の人生を変えてしまった…
でも、この出会いがなければ、こんなに心も揺さぶられることもなかっただろう…
・・・
「3年になってもつまんないのは変わらないか…」
3年になったにも関わらず、進路のことなど考えていない、誰一人として“自分のこと”を見られていない少年に突然未来を変えるかもしれない出会いが訪れる…
ガラッ
『全員、席に着けー。』
担任はやる気のない口調で生徒に指示する
彼も周りの生徒同様、担任の指示に渋々従うが、
そのあとに着いてくる女性に目を奪われてしまう…
『えーっと、みんなおはよう。
早速だが連絡事項。
今日から秋ごろまでだが教育実習生の学生さんがこのクラスに就くことになった。
軽くでいいから自己紹介をよろしく。』
『乃木坂教育大学から実習に参りました、桜井玲香です。
秋ごろまでと短い期間ですが、教師になるため、いろんなことを学習していきますのでよろしくお願いします。』
“綺麗な人…” これが僕の第一印象…
玲香視点…
教育実習でこの学校に来たがやはり、生徒は教育実習生に興味があるのだろう。
廊下を歩いているとき、授業中に質問とか声をかけられることも数えきれないほど。
でも、一人を除いて…
○○視点…
桜井玲香は瞬く間に人気となった。それも当然だろう。
自分たちよりも少し年上、教師を目指しているからか教え方も上手く、分け隔てなく会話している。
何よりも美人である。
才色兼備のように思えるが、ときどき天然な一面も見えるため堅さも見えない。
それが“桜井玲香”の人気の理由だろう。
これだけ周りを観察・分析した僕は一度たりとも話していない。
話す理由がない、緊張してしまうとか言い訳は恐らく無数にある。
一番の理由は“自分の気持ち”を知られてしまうのが怖いのだろう…
・・・
「進路相談か…どうでもいっか…」
『○○、進路はどうするんだ?』
「別にどうでも…。」
『お前は学年主席だし、ほぼ希望通りに進学できるぞ。』
「そもそも、興味ないんですよ…。
ってか、もういいですか。
とくに行きたい大学もないし、時間の無駄ですよ。」
『おい、○○!まだ終わって…』
僕は先生の言葉を最後まで聞かずに教室を出た
「はぁ、ほんとどうでもいいんだけどな…」
ガラッ
教室に戻ったら…
『あっ、○○君だ…』
「桜井先生ですか…何してるんですか?」
『さっきまで女の子たちと話してたんだ~、
それより○○君は?進路相談の途中じゃないの?』
「とくに行きたい大学もなくて話すこともないので帰ります。」
『学年主席なんでしょ?将来の夢とかないの?』
“学年主席” その言葉が僕の中でものすごく引っかかった…
「とくにないですよ、誰も”俺のこと”なんて興味ないでしょうし」
『そんなこと…』
「あるんですよ、現に俺のこと“学年主席”としか認識してないでしょ」
その言葉を最後に僕らの会話は終わった…
・・・
その後、僕らの関係は”平行線”のようだった
あの出会いは、あの時の会話は僕にとって一体なんだったんだろう…
意地をはらずにいれば、関係に交わりができたのだろうか…