好きの形
「ねえ、ほんとに私のこと好きなの?」
『…好きだよ…何回言ったらわかるんだよ…』
「嘘ばっかり…
じゃあなんで私以外の女の子と出かけてるの…?」
『ちっ、ばれてんのかよ…』
「何回も嘘ついて、ばれてないと思った…?」
『ばれてんならいいや、もう別れようぜ。
もうお前とかどうでもいいし』
「どうでもいいなら何で私のこと、
“好き”とか言ったの…?」
『お前、見た目はいいし。周りに自慢とかしやすいだよ(笑)
でも一緒にいてもつまらんし、さっさと出てけよ(笑)』
「そっか…。じゃあ、もう顔も見たくない。
2度と会わないでね…」
『こっちから頼むわ(笑)
ってか、余計な事話すなよ。』
・・・
「はぁ…」
2年付き合った彼に捨てられた…
強気に別れたもののため息も涙も知らぬ間に出ていた…
雨に打たれていれば、全部流れるのかなぁ…
『有美子!?何してんだよ!?』
「○○…?」
『風邪ひくだろ!バカじゃないのか!?早く来い!』
「ほっといてよ…なんかどうでもいいから…」
『どうでもいい訳ないだろ!いいから行くぞ!』
・・・
『ほらよっ、さっさと拭けよ』
「あ、ありがとう…」
『何があったのか知らないけど、心配させんな。』
「そんなつもり…ないもん…」
・・・
『なにがあったかは聞かないけど、
少しは“幼馴染”を頼れよ…』
“幼馴染” その言葉がなぜか引っかかり思わず黙り込んでしまった…
沈黙が数分続いた後…
『どっちの親もいないし、今の有美子を1人にできないし泊まってけよ。
俺と一緒じゃいやかもだけど(笑)』
「そんなことないよ…今は誰かと一緒にいたい…
だからお願い…離れないで…」
目に涙を浮かべ、上目遣いの”幼馴染”から目を離せなかった…
『ったく、わがままだな。
仕方ないし、たまには”幼馴染”の頼みぐらい聞いてやるか(笑)』
「一言余計だよ…」
涙を浮かべながらも、“幼馴染”の彼女は微笑んでいた…
・・・
“幼馴染” この関係が変化するのはもう少し後の話